デジタルマーケティング

Amazonモールの出店方法から運営のコツまで詳しく解説

2022/07/28

Amazonに商品を出品できる「Amazonモール」は、手軽に始められるECモールとして注目を集めています。

しかし、多くの出品者が集まるAmazonで、効率的に売上を上げていくには、運営を工夫しなければいけません。

そこで、Amazonモールの出店方法から、運営を成功させるためのコツまでを解説していきます。

Contents

ECモールとは

ECモールとは、複数の事業者が出店・出品している、インターネット上のショッピングモールです。

例えば、国内で有名な「Amazon」や「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」などがECモールに該当します。

自社でECサイトを展開しようとすると、その構築に膨大な初期費用がかかってしまいますが、AmazonのようなECモールに出品することで、低コストでECサイトを開設し、運営することが可能です。

Amazonのように、商品を出品する形式のECモールを、マーケットプレイス型ECモールと呼びます。

ECモールは、利用方法や出品の形式によって、次の3つの種類に分けることができます。

1、マルチテナント型ECモール
2、マーケットプレイス型ECモール
3、マルチブランド型ECモール

それらの詳細を、解説していきます

マルチテナント型ECモール

マルチテナント型ECモールとは、モール内に個別のショップページを作成して、商品を出品・販売する形式のECモールです。

例えば、「楽天市場」や「「Yahoo!ショッピング」などが、マルチテナント型のECモールになります。

事業者は個別のショップページを作成できるため、デザインや機能面などで自社の特徴を出しやすい運営形式といえます。

マーケットプレイス型ECモール

マーケットプレイス型ECモールとは、ショップページは作成せずに、商品だけを出品して、販売する形式のECモールです。

前述のとおり、「Amazon」が、マーケットプレイス型ECモールに該当します。

販売者情報や商品情報を登録するだけで、簡単にECモール内で販売を開始できます。その一方で、商品ページなどをカスタマイズすることはできないため、自社の特徴は出しにくい運営形式といえます。

マルチブランド型ECモール

マルチブランド型ECモールとは、複数の自社ブランドのECサイトが統合された形式のECモールです。

例えば、アパレル企業などでは、自社で複数のブランドを展開するケースがあります。しかし、ブランド毎にECサイトを展開していると、運用や管理に手間がかかってしまいます。

そこで、複数の自社ブランドを統合して、一つの大型のECモールにすることで、運用や管理の効率化が可能になります。

また、マルチブランド型のECモールを構築するには、費用や時間がかかりますが、顧客情報や在庫管理などを共有できるといった、大きなメリットもあります。

Amazonを運営するメリット

ECモール「Amazon」を利用して商品を販売する場合の、具体的なメリットを解説していきます。

手軽に出品できる

Amazonでは、簡単なアカウント登録や設定をするだけで、手軽に商品を出品できます。
例えば、ECサイトで商品を購入する際には、「名前」や「住所」「クレジットカード情報」というような個人情報を入力する必要があります。

そのため、厳重なセキュリティの仕組みを、ECサイトには導入しなければいけません。しかし、セキュリティの仕組みを導入するには、膨大な費用や運用コストがかかります。

AmazonのECモールでは、既に高品質なセキュリティの仕組みが用意されているため、自社でセキュリティを考慮する必要がなく、始めやすいことが特徴となります。

代行サービスが利用できる

「FBA(フルフィルメント By Amazon)」と呼ばれる代行サービスを利用できるのも、Amazonのメリットの一つです。

FBAとは、出品した商品をAmazonの倉庫に保管でき、注文が入った際の梱包や発送、返品対応などの業務を、Amazonに代行してもらえるサービスです。

発送や返品などの対応は、24時間・365日対応しているので、非常に質の高いサービスを顧客に提供できます。

これらの業務を自社で行う場合、商品の保管スペースや梱包、返品対応などに人的リソースが必要となります。

しかし、FBAを利用すれば、圧倒的にコストやリソースを抑えながら、質の高いサービスを提供することが可能になります。

集客力が高い

Amazonに商品を出品することで、集客面において非常に大きな恩恵を受けます。

例えば、自社のECサイトを運営していても、顧客がサイトに訪れないと、商品の購入には繋がりません。そのため、ネット広告やSEO対策にコストをかけて、ECサイトにユーザーを集める必要があります。

しかし、Amazonへの出品であれば、集客に悩む必要はありません。

Amazonは誰もが知っているネットショッピングであり、2021年にはCEOであるジェフ・ベゾスが、Amazonプライムの会員数はグローバルで2億人超えたことを明らかにしています。

参照元:Amazon「アマゾンジャパンの沿革」
https://amazon-press.jp/Top-Navi/About-Amazon/Milestones.html

実際、Amazonのサイトには、膨大な数のユーザーがアクセスしています。ニールセンデジタル株式会社の調査によると、2021年12月の月間視聴者数は4,729万人という結果が出ています。

Amazonへ出品することは、この高い集客力を利用していることとイコールになります。

参照元:ニールセン「デジタルコンテンツ視聴率のMonthly Totalレポートによる オンラインモールのサービス利用状況を発表」
https://www.netratings.co.jp/news_release/2022/02/Newsrelease20220225.html

固定費が比較的安い

また、運営にかかる毎月の固定費が、比較的安いのもAmazonの大きなメリットです。

Amazonには、「大口出品」と「小口出品」の2種類の出品プランがありますが、どちらも低コストで利用することできます。

「大口出品」は、月額費用が4,900円かかりますが、基本成約料は無料です。

「小口出品」は、月額費用はかかりませんが、基本成約料として1商品が売れるごとに100円がかかります。

販売された商品のカテゴリーによって販売手数料がかかりますが、基本料金(固定費)として発生するのは、前述した「月額費用」と「基本成約料」のみです。

このように、安価な料金で運営できるのも、Amazonの大きな魅力の一つです。

参照元:Amazon「出品にかかる費用」
https://sell.amazon.co.jp/pricing?ref_=asjp_soa_rd&

Amazonを運営するデメリット

手軽に出品できる便利なサービスであるAmazonですが、当然デメリットもあります。ここでは、デメリットについて詳細に解説していきます。

顧客データの取得ができない

一番のデメリットとして挙げられるものが、顧客データの取得ができないことです。

参考記事:【BtoC企業向け】CRMとは?マーケティング施策やツール導入時のポイントを紹介
https://digipara.comix.co.jp/media/digital-marketing/1025/

LTVを最大化するためには、顧客情報の取得が欠かせませんが、Amazon経由で購入した顧客については、顧客情報の取得が不可能となります。
下記のガイドラインの通り、出品者は商品の購入について購入者から連絡があった場合、あるいはAmazonストアで出品者の商品をすでに購入した購入者に対してのみ、Amazonから「許可されたメッセージ」を送信できます。
Amazonから「許可されたメッセージ」とは、注文を完了するため、またはカスタマーサービスの問い合わせに回答するために必要な連絡を指しています。

参照:コミュニケーション二関するガイドライン – Amazonセラーセントラル
https://sellercentral.amazon.co.jp/gp/help/external/G1701?language=ja_JP&ref=efph_G1701_cont_521

Amazonのシステムからしかメッセージを送ることができない上、送付可能なメッセージは必要最低限に限られています。
自社ECと並行して行う場合や、モール型ECのみで運営を行う場合でも、モール型ECで得た顧客については、顧客情報を得られないこと、そのため既存顧客へのアプローチができないことを念頭に置いておきましょう。

販売手数料が高い

Amazon運営のメリットでも説明したとおり、Amazonでは基本料金の他に「販売手数料」がかかります。

販売手数料は、商品のカテゴリーによって利率が変わってきます。多くの商品が、8〜15%に設定されています。

また、商品のカテゴリーによっては、最低販売手数料も設定されています。商品カテゴリー毎の販売手数料や最低販売手数料を、一部紹介します。

商品カテゴリーによっては、高い販売手数料がかかるため、この点はAmazonのデメリットといえるでしょう。

参照元:Amazon「出品にかかる費用」
https://sell.amazon.co.jp/pricing?ref_=asjp_soa_rd&

Amazonがライバルになるケースがある

自社ECとAmazonで並行して運営した場合、検索エンジンで商品などを検索すると、2つのサイトが表示されることになります。
その場合、上位表示されるサイトが自社ECではなく、Amazonサイトである可能性が非常に高くなります。これは、Amazonのサイト自体のドメインパワーがあるためです。

前述の通り、顧客の情報取得をするためには、ユーザーに自社ECで商品を購入してもらうことが必要です。しかし、Amazonの方の商品ページが上位表示された場合、そちらにユーザーが流れる可能性もあります。

店舗ブランディングができない

Amazonには、店舗のブランディングができないというデメリットもあります。

例えば、「楽天市場」などのマルチテナント型のECモールであれば、個別にショップページを作成できます。独自性をアピールできるため、ブランディングを構築しやすいといえます。

しかし、「出品型」のAmazonでは、店舗毎のショップページを作成できないため、店舗のブランディングが非常に難しいです。

他の出品者との差別化が難しく、商品や価格というような要素だけで、何とか競合他社と勝負しなければならないため、Amazonのみの運営は、ブランドによっては危険と言えます。

Amazonの出店方法

ここでは、AmazonのECモールに出店するまでの基本的な流れについて、解説しています。

次の4つのステップで、簡単に出店することができます。

1、Amazon出品用アカウントの登録
2、出品者のプロフィール設定
3、出品する商品の登録
4、注文があった商品の発送

それぞれの詳細を、解説していきます。

Amazon出品用アカウントの登録

最初に、Amazon出品用のアカウントを登録する必要があります。普段、Amazonのネットショッピングで利用しているアカウントとは別になりますので、注意してください。

アカウントの登録には、以下の6点が必要になりますので、事前に準備しておきましょう。

・有効期限内の顔写真入りの身分証明書
・過去180日以内に発行された各種取引明細書
・登録用のメールアドレス
・電話認証用の電話番号
・支払い用のクレジットカード
・入金用の銀行口座の情報

Amazonの出品用サイトは「Amazon Celler Central(アマゾン・セラー・セントラル)」という名称になります。

1、Amazonの出品用サイト(https://sell.amazon.co.jp/)にアクセスして、「さっそく始める」をクリックします。

2、「出品用アカウントでログイン」と表示されますが、下段にある「初めてAmazonをご利用ですか?」の「Amazonアカウントを作成」をクリックします。

3、アカウントを作成の画面では、「名前」「Eメールアドレス」「パスワード」を入力して、「次へ」とクリックします。

4、登録したEメールアドレスに「確認コード」が届きますので、そのコード(6桁の数字)を入力して、「アカウントの作成」をクリックします。

5、携帯電話の登録画面で電話番号を入力し、SMSで届く「確認コード」(6桁の数字)を入力します。

以上で、Amazon出品用アカウントの登録は完了です。

出品者のプロフィール設定

次に、出品者のプロフィールを設定します。

1、出品用のアカウント登録後、「ようこそ!Amazon出品サービスへ」のページに移動するので、「開始」をクリックします。

2、ビジネス情報として、事業所の所在地「日本」を選択します。自社にあった適切な事業区分を選択して、法人名を入力し、「同意して次に進む」をクリックします。

3、「運営責任者の情報」の入力画面に移動するので、「氏名」「国籍」「出身国」「生年月日」「住所」「身分証明書」を入力して、「次へ」をクリックします。

4、マーケットプレイスの種類では、販売先を選択します。日本国内だけの販売であれば、日本にだけチェックを入れて、「次へ」をクリックします。

5、請求先情報では、支払いに使うクレジットカードの情報(カード番号、有効期限など)を入力して、「次へ」をクリックします。

6、ストア情報の入力画面では、「ストア名」や「UPC/EAN/JANコードの有無」などを画面に沿って入力して、「次へ」をクリックします。

7、「身分証明」の画面に移動するので、氏名や生年月日などの基本情報を入力して、「身分証明書」と「その他の書類」の画像データをアップロードします。
身分証明書は、有効期限内であり写真入の身分証明書(パスポート、または運転免許証)である必要があります。

その他の書類は、過去180日以内に発行された各種取引明細書である必要があり、以下の3点が該当します。

①クレジットカードの利用明細書
②インターネットバンキング取引明細
③預金通帳

いずれか1つの書類の画像データを、アップロードする必要があります。

以上で、出品者のプロフィール設定は完了です。Amazon側で審査が開始されて、問題がなければ、2〜3日で承認されます。

なお、各種取引明細書やアップロード画像のファイル形式などの細かい条件は、下記の公式サイトにてご確認ください。

参照先:Amazonセラーセントラル「Amazon本人確認手順」
https://sell.amazon.co.jp/sell/identity-verification?ref_=sdjp_soa_sell_register#identity

出品する商品の登録

ここからは、実際に出品する商品をAmazonに登録していく作業になります。

1、Amazonの出品用サイト(https://sell.amazon.co.jp/)にアクセスして、作成したアカウントでログインします。

2、上部のメニューにある「カタログ」から、「商品登録」を選択してクリックすると、商品の「検索画面」に移動します。出品する商品の製品コード(UPC/EAN/JANコードなど)を入力して、検索します。合致した商品を選んで、「この商品を出品する」をクリックします。

3、商品によっては、出品の許可が必要になります。この場合は、「この商品を出品する」ではなく、「出品許可を申請」のボタンが表示されますので、クリックします。「出品申請」のページに移動するので、「出品許可を申請する」をクリックします。ステータスが、「許可済み」になれば「商品を出品」のボタンが表示されるので、クリックします。

4、商品の出品情報入力画面に移動するので、販売価格や在庫数、商品のコンディションなどの情報を画面に沿って入力します。

以上で、出品する商品の登録は完了です。

なお、商品の製品コードで検索しても商品が見当たらない場合は、新たに登録する必要があります。その際の手順を説明します。

1、上記の商品登録作業の「2、」において、検索画面にある「Amazonで販売されていない商品を追加します」をクリックします。

2、新規商品の登録画面に移動するので、商品の情報(商品名、説明文、価格、製品コードなど)を画面に沿って入力していきます。

3、全ての入力が完了したら、「変更内容を保存」をクリックして、新規登録は完了です。

4、登録後には、ふたたび上記の商品登録作業の「2、」の検索画面から、登録した商品を検索して、登録の作業を実施する必要があります。

以上で、検索しても見当たらない商品の登録は完了です。

注文があった商品の発送

最後に、出品した商品に注文があったときの、発送までの流れについて説明していきます。

1、注文が入ったときは、登録したメールアドレスに通知が来るので、注文内容を確認します。

2、Amazonの出品用サイト(https://sell.amazon.co.jp/)にログインして、上部のメニューにある「注文」タブをクリックします。「未出荷の出品者出荷注文」の「日本: Amazon.co.jp」の欄に注文数の数字が表示されるので、クリックすると注文された商品の詳細を確認できます。

3、商品情報の欄の右側にある「納品書を印刷」ボタンをクリックすると、納品書が表示されます。内容を確認して、納品書を印刷します。

4、注文された商品を梱包して、印刷した納品書と一緒に発送します。Amazonの規約では、「必ず納品書を同梱しなければいけない」というルールになっていますので、忘れずに同梱しましょう。

5、商品の出荷が完了したら、「出荷通知」を送信します。先ほどの「3、」で確認した商品情報の欄の右側にある「出荷通知を送信」ボタンをクリックすると、出荷情報の入力ページに移動します。「発送日」「配送方法」「発送元住所」「お問い合わせ伝票番号」を入力し、「出荷通知を送信」をクリックすれば、送信は完了です。

以上が、注文があった商品の発送までの流れになります。

Amazon運営で成功するポイント【Amazon広告】

多くの出品者が集まるAmazonにおいて、継続的に売上を上げていくのは、簡単なことではありません。

Amazonの運営を成功させるためには、ポイントがあります。ここではAmazon広告について、解説します。

Amazon広告の種類

Amazon広告とは、Amazonに出品している商品のプロモーションができる広告のことを指します。競合が集まるAmazonにおいて、他社の商品と差別化を図るための有効な手段となっています。

Amazon広告は、次の6種類に分けることができます。

1、スポンサープロダクト広告
2、スポンサーブランド広告
3、スポンサーディスプレイ広告
4、AmazonDSP
5、動画広告
6、音声広告(β版)

それぞれの詳細について、解説していきます。

スポンサープロダクト広告

スポンサープロダクト広告とは、設定したキーワードが検索された場合に、検索結果や商品詳細のページに表示される広告です。課金方式は、クリック課金です。

表示された広告をクリックすると、自社の商品ページに移動する仕組みです。

スポンサープロダクト広告を運用する際は、キーワードの設定が最も重要です。

例えば、広告に設定したキーワードも、「設定したら終わり」では成果は上がりません。定期的に成果の状況を確認し、改善を加えるなどの対応が必要です。

Amazon広告のレポート機能では、実際にユーザーが使った検索キーワードを確認することができますので、キーワードの設定や改善に役立ちます。

スポンサーブランド広告

スポンサーブランド広告とは、自社の商品ブランドや複数の商品を宣伝するための広告です。課金方式は、クリック課金です。

Amazonの商品検索結果の上部に、ブランド名やロゴ画像と一緒に商品が表示されます。商品広告をクリックすると、自社の商品ページに移動する仕組みです。

また、表示されるブランドのロゴ画像に、自社ストアページへ移動するリンクを設定することもできます。

スポンサーブランド広告を運用する際のポイントは、ターゲティングの設定にあります。

ターゲットを明確にして、キーワードを設定することはもちろん、キーワード毎にキャンペーンを設定することも大切です。キーワード毎にキャンペーンを設定することで、それぞれのキーワードの成果が分かりやすくなるためです。

また、コンバージョンに繋がっていない検索語句などを随時確認し、広告配信の除外キーワードに設定するといった対応も、運用のポイントの一つといえます。

スポンサーディスプレイ広告

スポンサーディスプレイ広告とは、検索結果や商品詳細のページに表示されるディスプレイ型の広告です。課金方式は、クリック課金です。

商品に興味を持っているユーザーを追跡して、広告を表示させる「リターゲティング」の機能を使えるのが特徴です。

スポンサーディスプレイ広告の運用ポイントは、ターゲティングの精度を高めていくことです。「商品ターゲティング」と「オーディエンス」の2種類の設定が可能ですので、使い分けながら、精度を高めていきましょう。

例えば、「オーディエンス」では、類似商品や同じカテゴリーの商品を購入したことのあるユーザーをリターゲティングできる設定も行えます。実際に使用して、自社の商品と相性が良いかを検証するなどして、ターゲティングの精度を高めていきましょう。

AmazonDSP

AmazonDSPとは、Amazonが提供するDSPサービスで、Amazonサイト外にも表示できる広告です。動画や音声、ディスプレイ型といった種類の広告配信が可能で、形式や掲載枠によって課金方式は異なります。

AmazonDSPの運用のポイントは、Amazonが保有する膨大な顧客データを最大限に活用することです。世界最大規模のECモールであるAmazonの顧客リスト、閲覧履歴、購買履歴といったデータを活用して、ターゲティングの設定が行えるためです。

例えば、「年齢」「職業」「世帯年収」というようなユーザー属性を活用して、ターゲティング設定が行えます。広告の成果を高めるために、最大限に活用しましょう。

動画広告

動画広告とは、動画形式で広告を表示できるスポンサーブランド広告の一種です。課金方式は、形式や掲載枠によって異なります。

ここまで説明してきた広告とは違って、動画で視覚的にアピールできるのが大きな特徴です。動画広告を運用するときのポイントは、動画の質や内容、再生時間などを工夫することです。

例えば、冒頭の1〜2秒でユーザーの興味を引く内容にしたり、短時間の再生でも魅力が伝わる内容にしたりする工夫が必要です。最初はミュートの状態で再生されるため、音声無しでも伝わるような動画にするのも、効果のある工夫といえます。

音声広告(β版)

音声広告は、2022年6月現在、日本ではサービス提供されていません。Amazon Musicのユーザーを対象に配信される音声広告です。課金方式は、インプレッション課金です。

10秒〜30秒間の音声によって、自社の商品やブランドの認知を広げることができる広告です。音声広告の運用するときのポイントは、配信方法などを工夫することです。

例えば、音声と共にバナーを表示させることもできますので、組み合わせることで、視覚的にもアピールできるのです

Amazon広告のポイント

6種類のAmazon広告を解説してきましたが、これらの広告の成果を高めるには、共通するポイントがあります。

ここでは、広告の費用対効果を高めるためのポイントについて解説していきます。

キーワードや商品ごとに指標や目標を設定する

Amazon広告では、キーワードや商品ごとに指標や目標を設定することが重要です。

例えば、競合他社のキーワードを使うユーザーと、自社ブランドのキーワードを使うユーザーでは、心理状況は異なります。そのため、これらのユーザーを同じROAS(広告の費用対効果)で比べても、正しい判断はできないといえます。

そこで、競合他社のキーワードを設定した場合には、クリック率やインプレッション率などの数値に注目するというように、広告キャンペーンごとに指標を設定する必要があります。

商品カテゴリ全体のシェア率を見る

また、商品カテゴリ全体のシェア率を見ることも、広告を最適化するためのポイントです。

例えば、前月と比較して、自社の売上が20%アップしたとします。ただ、その商品カテゴリー全体の売上が40%伸びていた場合、商品カテゴリー全体におけるシェア率は下がっていたことになります。

自社の売上だけを見て判断すると、商品カテゴリ全体のシェア率が下がっていることに気付くことはできません。だからこそ、商品カテゴリ全体のシェア率を見る必要があるのです。

Amazon広告のツール(AmazonAds)では、商品カテゴリ全体の売上シェアの状況は確認できないため、brand analyticsなど、他のツールで確認する必要があります。

Amazon上の検索順位にも留意する

Amazon上の検索順位にも留意すると、広告の費用対効果を高めることに繋がります。

検索順位は、「販売価格」や「売上・利益」「在庫状況」というような複数の要素によって決まります。例えば、出品している商品の在庫が切れた場合、設定した広告は配信されません。

自社で十分な広告費用を用意していても、広告が配信されなければ売上には貢献できません。費用対効果が悪くなってしまうため、常にAmazon上の検索順位にも目を向けるようにしましょう。

Amazon運営で成功するポイント【Amazon SEO】

ここでは、Amazonの運営を成功させる2つ目のポイントである「Amazon SEO」について解説していきます。

Amazon SEOとは、ユーザーがAmazon上で商品を検索したときの検索結果において、上位に表示されるための取り組みのことを指します。

上位に表示されるほどクリック率は高まるため、商品の売上アップを期待できます。

狙いたいキーワードを明確にする

Amazonの検索結果は、ユーザーが入力するキーワードと商品ページ内の情報の関連性が重視されるため、まずは狙いたいキーワードを明確にすることがポイントです。

ユーザーが検索したキーワードと、商品ページのタイトルや商品説明にあるキーワードとの関連性が高いほど、上位に表示されやすくなります。そのため、商品ごとにどのようなキーワードで上位表示させていくか、狙うべきキーワードを明確にして、商品ページに意識的に盛り込むようにしましょう。

なお、Amazon広告のレポート機能では、検索に使われているキーワードを確認できますので、キーワードの特定に役立てることができます。

タイトルの見直しをする

検索順位が思わしくないときは、タイトルを見直すことも重要なポイントです。商品タイトルは、検索順位やクリック率に大きく影響します。
商品名やブランド名、狙ったキーワード、商品の特徴や魅力が含まれているか、というような観点で見直してみましょう。

タイトルは30文字程度を目安に、ブランド名、商品名、サイズや色など、ユーザーがタイトルを見ただけである程度の情報が分かるようにします。
また、タイトルに情報を入れると、ユーザーの検索にヒットしやすくなります。
設定した商品タイトルの反応を見ながら、上位に表示されるように改善を続けていくことが重要です。

商品説明を充実させる

参照:https://www.amazon.co.jp/Amazon-Essentials-Slim-Fit-Short-Sleeve-T-Shirt/dp/B07XQK21K2/ref=sr_1_17_sspa?keywords=t%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%84+%E3%83%AC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%B9&qid=1658931079&sprefix=T%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%84%2Caps%2C230&sr=8-17-spons&psc=1&spLa=ZW5jcnlwdGVkUXVhbGlmaWVyPUFaSUNUMEpUNjJDME8mZW5jcnlwdGVkSWQ9QTA3MTk4NDZVODRNTDVSRjdJNkgmZW5jcnlwdGVkQWRJZD1BMkVSNUpIVlhCMVM1RCZ3aWRnZXROYW1lPXNwX210ZiZhY3Rpb249Y2xpY2tSZWRpcmVjdCZkb05vdExvZ0NsaWNrPXRydWU=

Amazon SEOにおいて、商品説明を充実させることは、Amazonのアルゴリズムからも良い評価を得られやすく、非常に効果が期待できます。ユーザーは、詳細な商品情報を求めているため、必然的にアルゴリズムの重要な一つの指標となるのです。

商品を探しているユーザーが、その商品に求めていることを想定して、その情報を分かりやすく説明するのがポイントです。

ユーザーの目線に立って、商品説明を充実させればコンバージョン率も高まります。コンバージョン率が高まれば、Amazon SEOに良い影響を与えることが期待できます。

商品紹介コンテンツを充実させる

参照:https://www.amazon.co.jp/Amazon-Essentials-Slim-Fit-Short-Sleeve-T-Shirt/dp/B07XQK21K2/ref=sr_1_17_sspa?keywords=t%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%84+%E3%83%AC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%B9&qid=1658931079&sprefix=T%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%84%2Caps%2C230&sr=8-17-spons&psc=1&spLa=ZW5jcnlwdGVkUXVhbGlmaWVyPUFaSUNUMEpUNjJDME8mZW5jcnlwdGVkSWQ9QTA3MTk4NDZVODRNTDVSRjdJNkgmZW5jcnlwdGVkQWRJZD1BMkVSNUpIVlhCMVM1RCZ3aWRnZXROYW1lPXNwX210ZiZhY3Rpb249Y2xpY2tSZWRpcmVjdCZkb05vdExvZ0NsaWNrPXRydWU=

商品紹介コンテンツとは、Amazon側が用意したテンプレートを使って、テキストや画像により商品ページを魅力的にできる機能です。

商品の画像を使って、視覚的に商品をアピールできる点が、前述した「商品説明」との違いです。そのため、商品の魅力を伝えるためにも、積極的に画像を活用しましょう。
どのように画像を活用するべきかも、以降で説明します。

商品画像の品質を上げる

参照:https://www.amazon.co.jp/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%AB-50g%E3%80%91%E7%BE%8E%E8%82%8C%E3%82%AB%E3%83%97%E3%82%BB%E3%83%AB%E9%85%8D%E5%90%88-%E6%B4%97%E9%A1%94%E5%BE%8C%E3%81%AF%E3%81%93%E3%82%8C1%E3%81%A4%E3%81%A7OK%EF%BC%81%E4%BB%95%E4%BA%8B%E3%82%84%E8%82%B2%E5%85%90%E3%80%81%E5%AE%B6%E4%BA%8B%E3%81%AA%E3%81%A9%E5%BF%99%E3%81%97%E3%81%84%E5%A5%B3%E6%80%A7%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE1%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%83%E3%83%97%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%A1-%E5%90%88%E6%88%90%E9%A6%99%E6%96%99%E3%83%BB%E7%9D%80%E8%89%B2%E6%96%99%E3%83%BB%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E9%89%B1%E7%89%A9%E6%B2%B9%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%82%BF%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%AB%E4%B8%8D%E4%BD%BF%E7%94%A8%EF%BD%9C%E6%99%82%E7%9F%AD/dp/B07W3KC2DW/ref=sr_1_34_sspa?keywords=%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%AB&qid=1658931619&sprefix=%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%AF%E3%83%B3%2Caps%2C211&sr=8-34-spons&psc=1&spLa=ZW5jcnlwdGVkUXVhbGlmaWVyPUExR1FTRUkyMERYRjVQJmVuY3J5cHRlZElkPUEwOTY5MjkxMkQyVVdGRUcyV0wxUiZlbmNyeXB0ZWRBZElkPUExSjVBSEFDUUsyQjg1JndpZGdldE5hbWU9c3BfbXRmJmFjdGlvbj1jbGlja1JlZGlyZWN0JmRvTm90TG9nQ2xpY2s9dHJ1ZQ==

商品ページで設定する商品画像の品質を上げることも、検索順位に良い影響を与えます。

前提として、商品の全体像やサイズ感などが一目で分かったり、カラーや質感が分かるような鮮明な画像を使ったりすることが基本です。
上記にプラスして、図のように、画像をLPの用に活用し、ユーザーが視覚的に分かりやすい設計を心がけることで、購入率や、CTRの向上にも繋がります。
それにより、検索結果の表示順位にも影響するため、商品画像にはぜひこだわりましょう。

口コミ対策をする

AmazonのECモールでは、商品の購入者が口コミ(レビュー)を投稿することができます。口コミには「出品者に対するレビュー」と「商品に対するレビュー」の2種類があります。

口コミ評価は検索順位に影響すると考えられるため、ユーザーから口コミを記載してもらうように動くことが重要です。Amazonには、商品を購入したユーザーに、レビューをリクエストする機能もあります。このようなモール上の機能の活用や、同梱物として口コミ記入依頼を入れるなど積極的に活用して、数多くの口コミ(レビュー)を獲得しましょう。

しかし、口コミを依頼して悪い口コミが集まってしまっては悪影響になります。「出品者に対するレビュー」の評価を高めるには、梱包の丁寧さや、記載した通りの納期を守るなどの対応が必要です。納期や出荷対応に敏感な購入者が多いためです。

また、商品レビューの対策も重要となります。ユーザーは出品者の口コミと同じように、商品自体の口コミも重視します。
当然ですが、出店者はユーザーが満足できるサービス、商品を提供する必要があります。
ユーザーが喜ぶような対応を心掛けたうえで、口コミ依頼をしていきましょう。
ただし、商品自体のクオリティを上げることは重要ですが、不正な口コミを集めることは当然違反行為です。
いわゆる、やらせの口コミを集めるのではなく、純粋にユーザーの口コミを集めるようにしましょう。

Amazon運営で成功するポイント【その他の施策】

Amazon広告やAmazonSEO以外にも、Amazon運営を成功するためのポイントがあります。

これらのAmazon運営のポイントについて、詳細を解説していきます。

競合調査をする

多くの競合が集まるAmazonにおいて、競合調査は必須といえます。競合を調査することで、運営を成功させるヒントを掴めるためです。

例えば、Amazonでは、出品されている商品のカテゴリーにおける「ランキング順位」を確認できます。定期的に売れている商品のページをチェックしましょう。

商品の「販売価格」はもちろん、「商品タイトル」や「商品説明」、「画像」を参考にすることで、自社の出品(商品)に反映できます。こまめに競合調査を行って、改善に役立てていきましょう。

カートボックスの獲得率を上げる

カートボックスの獲得率を上げることも、非常に効果があります。カートボックスの獲得とは、商品ページに設置された「カートに入れる」の対象となる権利を獲得することです。

商品を販売するうえで大きなプラス要因となるため、Amazon運営を成功させるポイントとして重要視されています。

カートボックスの獲得には、注文のキャンセル率や出荷遅延率、注文不良率などの指標が判定に使われます。これらの指標を良好に保つように、運用を続けることを意識しましょう。

FBAを使用する

第2章の「代行サービスが利用できる」で解説した「FBA(フルフィルメント By Amazon)」を使用するのも、成功のポイントです。

商品の出荷や返品対応は、Amazonが迅速に代行するため、ユーザーの満足度を高めることができます。

ユーザー満足度は、口コミ(レビュー)に反映されるため、Amazon SEOにも良い影響を与えることが考えられます。そのため、Amazonの運営にも大きなプラスになるのです。

運営にあたっての注意点

Amazonに商品を出品して販売をしていく中で、気を付けなければいけない点があります。
ここでは、Amazonの運営にあたっての注意点について解説していきます。

レビューの操作はしない

Amazonでは、自社にとって有利になるような評価やレビューの投稿を、ユーザーに強制することを禁じています。

また、商品を購入した一般のユーザーになりすまして、自社にとって有利になるレビューを投稿することも禁止されています。

これらの行為は、Amazonの規約「出品者の禁止活動および行為、ならびに遵守事項」において禁止事項として、正式に定められている項目ですので、必ず守りましょう。

参照元:セラーセントラル「出品者の禁止活動および行為、ならびに遵守事項」
https://sellercentral.amazon.co.jp/help/hub/reference/G200386250?locale=ja-JP

顧客満足度を下げない

顧客満足度を下げないように運営することにも、注意しなければいけません。キャンセル率や出荷遅延率、注文不良率というような、顧客満足度に関する指標は、運営に大きく影響するためです。

例えば、これらの指標が低く、アカウントの健全性が悪いと判断されると、アカウントの停止や出品制限などのペナルティを受けることもあります。
更に、対応の悪さをユーザーから口コミで記載されることにより、商品やブランドの品質低下にも繋がります。

アカウント停止やブランドの品質低下は、Amazonや自社EC運営にも大きく影響するため、十分に注意しなければいけません。

複数アカウントを持たない

Amazonでは、複数の出品用アカウントを所有することを禁止されています。

例えば、アカウントを使い分けて複数のショップを作成すると、アカウントが停止した際のリスクを軽減したりすることできます。しかし、Amazonから正式に認められている場合を除き、複数アカウントの所有することは禁止されています。
参照:出品者の禁止活動および行為、ならびに遵守事項 – Amazonセラーセントラル
https://sellercentral.amazon.co.jp/gp/help/external/G200386250?language=ja_JP

規約違反によりアカウントが停止されることもあるため、注意しましょう。

利用規約を必ず読む

Amazonは、ECモールの運営に関する利用規約、ガイドラインを定めています。

商品や出品方法、購入者への対応、アカウントの運用というように、様々な項目においてルールが定められているのです。例えば、自分が問題ない行為だと思っていても、利用規約で禁止されているケースもあります。

利用規約に違反した場合には、出品が取り消されたり、出品者アカウントが停止されたりします。そのため、Amazonが定める利用規約には、必ず目を通すようにしましょう。

なお、利用規約、ガイドラインは下記の公式サイトで確認できます。

参照先:Amazonセラーセントラル「規約、ガイドライン」
https://sellercentral.amazon.co.jp/help/hub/reference/GSNV3657R94YP9DZ

まとめ

ここでは、Amazonモールの出店方法から、運用のポイントまでを解説してきました。

出店方法は非常に簡単なうえ、集客力が高いというような様々なメリットがAmazonにはあります。

しかし、出店した後に放置していては結果に繋がらないので、出店した後も、継続的に効果的な運営を行いましょう。

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