戦略設計

「3C分析」から事業戦略の勝ち筋を見つける

2021/10/26

事業戦略を進めていくにあたっては、自社を取り巻く市場や顧客、競合を把握したうえで、自社の立ち位置を知る必要があります。そんなときに3C分析を的確に行うことで、事業戦略の方向性や事業成功に必要な要因がみえてきます。この記事では、3C分析の基礎、フレームワークの活用方法を事例とともに紹介します。

Contents

3C分析とは

3C分析は、マーケティング戦略の立案の中で活用されるフレームワークであり、大手コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーで日本支社長の経験を持つ大前研一氏が考案しました。
3C分析では、以下3つの要素をもとに自社ではコントロールできない外部環境と自社の内部環境から成功要因(KSF)を見つけ、事業を成功に導くことを目的としています。

・Customer(市場・顧客)
・Competitor(競合)
・Company(自社)

3C分析は、既存事業の戦略を再考するとき、新規市場への参入や事業撤退を検討するときなど、ビジネスにおいてあらゆるシーンで戦略を考える際に活用することができます。3C分析を行うためには、多角的な情報収集が不可欠であり、多くの労力が必要となります。そのため、事前に「検討したい戦略の方向性」や「新たな戦略からどのような成果を得たいか」などを明らかにしておくと重要なポイントがわかり、効率的で明確な分析を行うことができます。

マーケティング戦略での位置づけ

マーケティング戦略のステップは、以下の6つに分けられています。

STEP1. マーケットリサーチ(市場分析)
STEP2. セグメンテーション(市場細分化)
STEP3. ターゲティング
STEP4. ポジショニング
STEP5. マーケティング・ミックス
STEP6. マーケティング戦略の実行と評価

このステップの中で3C分析が用いられるのは、マーケティング戦略を練るうえで、最初のステップである「マーケットリサーチ」の段階です。商品・サービスを市場に展開していくにあたって、外部・内部の環境を様々な視点から分析し、市場の状況や自社の立ち位置を明確化することで、はじめて具体的なマーケティング戦略をするための準備ができます。刻一刻と変化する社会や顧客のニーズに柔軟に対応するためにも市場分析は重要な役割を果たしています。
マーケティング戦略の最初のステップを担っている3C分析は、市場・顧客、競合、自社の各要素のうちいずれかの一つが欠けてしまうと成立しません。各要素の分析が十分に行われない場合、マーケティング戦略そのものが失敗してしまう可能性があります。市場の変化を意識し、分析と改善を繰り返すことで、精度の高いマーケティング戦略につながり、成果を高めることができます。

3C分析のプロセス

3C分析を始めるにあたって気をつけておきたいのは、分析順序があるということです。「市場・顧客」「競合」「自社」それぞれの分析を同時に進めるのではなく、次の順序で進めるようにしましょう。

1.Customer(市場・顧客)

Customerは、顧客や消費者のようなイメージがありますが、3C分析では、市場も含めて検討します。マーケティングの目的は、自社商品・サービスをどのようにして、顧客に選んでいただくのか、そのためにはどのような施策を立てればよいのかを考えていく必要があります。マーケティング活動を行うことで重要なポイントは企業の利益視点のみの追及ではなく、顧客視点を意識して進める必要があります。また、この要素をしっかり理解した前提で分析ができなければ、その先に続く自社分析が正しく実行できず、勝ち筋のある方向へ導くことが難しくなります。まずは、対象となる市場の現状や成長性、顧客のニーズ分析をしっかりと行うことが大切です。

市場・顧客分析のために収集した情報は、多角的な視点からみて分析を進めます。まず政治動向や法改正、消費や景気の動向、流行や技術革新など、自社ではコントロールできない社会的な動きを俯瞰的に捉えます。それらを分析した結果、自社にどのような影響があるか、動向やニーズがどう変化するかを予想して戦略を立てていきます。社会的影響を分析したあとは自社が参画する(している)市場にスポットをあて、競合企業の動向や新規参入状況など、他の企業や業界が自社に与える影響について分析します。

2.Competitor(競合)

Competitor(競合)とは、自社商品・サービスと競合する企業のことを指します。競合分析にあたっては、まず競合となる企業の見極めから始まります。競合となる企業の売上規模、商品・サービスの特徴や価格帯などを分析します。その他、生産過程や組織体制、販売場所など仕組みを分析することも大切です。市場における競合各社の成功要因、失敗要因を把握し、自社の戦略に生かします。
競合を見極める際は、範囲を狭く捉えないようにすることが大切です。たとえば、化粧品メーカーの顧客インサイトの1つとして「美しくなりたい」という気持ちから化粧品を購買していると考えます。この場合、競合として挙げられるのは、同業他社である化粧品メーカーだけでなく、健康サプリメントを扱う企業や、美容クリニックなども競合と捉える必要があります。また、有料の動画配信サイトを提供している会社の例では、同じような形態で動画配信をしているNetflixやHuluなどに加え、娯楽動画を提供するという意味で、テレビ局やDVDレンタルを行う企業も競合です。もっと大きく捉えると人の余暇時間を狙う「遊び」全てが競合になり得ます。どの業界においても同業他社だけではなく、間接的に競合となりうる業界や企業も視野に分析することが重要です。
また、競合を意識しすぎるあまり、本来意識しなければならない消費者目線をおろそかにしては本末転倒です。顧客不在の技術先行での過度な機能面拡張や価格競争の1本足打法での商品・サービス展開にならないよう注意が必要です。企業は、顧客の代弁者としてユーザーインサイトを重視した商品・サービス設計を心がけます。

3.Company(自社)

Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)の分析をしたら、最後にCompany(自社)の現状を把握します。自社の経営資源や売上、人的リソースといった基本的な内部要因だけでなく、自社が市場や顧客に対する期待へどのくらい対応しているか、顧客からどのような評価を得ているかなど、競合と比較しながら正確な情報を集めましょう。
市場・顧客分析や競合分析で得た情報をもとに、自社の独自性や強み、弱みを出していきます。客観的視点がほしい場合には、既存顧客からユーザーインタビューやアンケートを用いて直接的な声を取り入れる方法もあります。数ある商品・サービスのなかでなぜ自社の商品・サービスを選んでもらえたのかを知ることで、競合他社との比較や判断基準を顧客目線で考えることができます。

顧客インサイトを自己分析に取り入れるための調査手法
・ユーザーインタビュー
ユーザーインタビューは、ユーザー体験をもとに分析することで、定量調査ではみえてこない行動意識や利用意向、改善点の抽出などのニーズを明らかにすることが可能です。質問の仕方は「オープン・エンド型」で行います。これは、はい/いいえで回答する「クローズド・エンド型」に対し、「この機能についてどう思いますか?」「このキャンペーンはどうでしたか?」など回答者が自由に意見を発言できるような質問内容のことをいいます。顧客インサイトを引き出すため、「どのように考えるか」「なぜそう感じたのか」という背景や心理を捉えることで本質的なニーズを知ることができます。また、企業が知りたいと思う回答を求めるあまり、誘導尋問にならないよう、顧客の話に耳を傾けることに徹しましょう。

・ユーザーアンケート
ユーザーアンケートは、回答数が集まりやすく集計結果が数値として明らかになるため、客観的かつ信ぴょう性の高いデータとして社内の意思決定や結果報告の際にも有効です。質問項目の作成にあたっては、ユーザーインタビューと同様に誘導尋問にならないよう質問の文言には注意し、回答者の負担にならない程度の質問数、内容を用意します。複雑な質問項目はなるべく避け、直感的に回答を記載できる内容にすることで回答率の向上につなげます。その他、アンケートの回答率を向上させる工夫として、匿名での回答や、アンケート回答していただいた方にAmazonギフトを贈呈するなど特典やキャンペーンとの連動が挙げられます。

3C分析を行う際に気をつけるポイント

・正確な情報を収集する

3C分析を行うための情報収集で重要なことは、正しい情報のみを集めることです。特に市場や競合など、外部のデータを収集する場合には、情報の信ぴょう性に注意しながら作業を進めます。分析や調べ物をしようとすると、どうしてもインターネットに頼りがちになります。確かにインターネット上には有益な情報がありますが、ネット上の情報は、すべてが事実とは限りません。現実的な戦略を立てるには数ある情報の中からリアリティのある情報の取捨選択をしなければなりません。特に自社分析の際は、希望的観測が入りやすいため、インタビューやアンケートを用いて、客観的な声を収集することも必要です。

・分析はスピード感をもって行う

マーケティング戦略における分析はその後の事業を大きく左右する重要なファクターになるため、できるだけ分析に時間をかけて吟味したいと考える企業も多いかもしれません。しかし、情報収集に時間を長く費やしている間に市場の状況が変化してしまう可能性があります。流行や顧客ニーズ、競合の動向など自社を取り巻く環境は常に変化していることを念頭におき、できるだけ速やかに分析結果とマーケティング戦略を導き出す必要があります。多くの業種で市場が成熟している現代において、市場の変化への対応は年々重要度を増す課題となっています。まずはPDCAサイクルをなるべく速くまわし、改善を繰り返すことで商品・サービスのアップデートを目指すことが大切です。

・定期的な見直しをする

先述した通り、自社を取り巻く環境は常に変化しています。そのため、前回の分析データを継続して適応するには限界があり、古い情報をもとに戦略を続行しても、当初見込んでいた成果が出る可能性は低くなります。現時点で有効性があるかどうか、乖離はないか、戦略を定期的に見直し、必要に応じて細かい軌道修正をしていきます。

フレームワークを併用し成果を高める

ここまでは3C分析のプロセス、手順ポイントをお伝えしました。次は、3C分析と他のフレームワークとの組み合わせによる活用方法について解説します。
3C分析は、シンプルで有効なフレームワークですが、よりマーケティング戦略の成功を高めるためには、他のフレームワークを併用して多角的な視点を取り入れることが大切です。

「PEST分析」と組み合わせる(市場・顧客分析)

顧客・市場分析は、企業がコントロールできない政治や経済、社会的要因(マクロ視点)と競合他社を含めた業界動向など市場要因(ミクロ視点)に分けて分析を進めます。
マクロ視点で社会的要因を分析する際は、3C分析と「PEST分析」の組み合わせが効果的です。近年、企業を取り巻く社会動向はめまぐるしく変化しています。3C分析とPEST分析を組み合わせることによって、変化に対応した戦略を立案することが可能です。

PEST分析は自社業界を取り巻く外部環境を次の4つの視点から分析します。

・Politics(政治)
 法改正、税率の変更、政権交代
・Economy(経済)
 景気動向・消費動向、物価の変動、経済成長率、雇用情勢
・Society(社会)
 人口動向、流行、ライフスタイル、世論、社会問題
・Technology(技術)
 ビックデータやAIの活用、ITインフラの向上、技術開発の向上

「5F(ファイブフォース)分析」と組み合わせる(市場・顧客分析)

ミクロ分析をおこなう際は、「5F(ファイブフォース)分析」との組み合わせが効果的です。事業戦略を考えるうえで業界の構造や収益性を分析するためのフレームワークです。提唱されてから約40年経過しますが、企業規模問わず活用されています。

5F分析では、次の5つの観点から企業に影響を与える要因を分析します。

・買い手の交渉力
 商品の値下げ交渉、品質向上の要求などを指します。商品の値下げ交渉を要求されると収益の減少につながります。そのため、販売チャネルを多く設け、利益ルートを分散させることが有効です。

・売り手の交渉力
 商品・サービスを作る原材料や部品を販売するサプライヤーの価格交渉が強いと、買い手が不利な価格を受けざるを得ないことがあります。その場合、企業の利益が減る、適切な価格を維持できないことにつながります。売り手の交渉力を下げるためには、業者との付き合いを多く持ち、窓口を分散させることが大切です。

・業界内競合
 業界内で寡占化が進んでいる場合、競争はゆるやかで業界内の立ち位置の入れ替わりは鈍化します。反対に特定の独占企業が存在しない業界の場合、競争は激しく、業界の立ち位置も頻繁に入れ替わります。競争が激しいほど、価格や機能面で差別化が求められます。

・新規参入の脅威
 新規参入が容易な業界は、そのぶん収益が分散し、収益が保ちづらくなります。自社独自
の強みを強化し、新規参入の難易度を上げることで収益の安定を目指すことが重要です。 

・代替品の脅威
 自社の商品・サービスが他社の商品・サービスに代替されることは収益に影響します。対策としては、他のサービス商品・サービスに乗り換えるためのコスト(スイッチングコスト)を高めることや、コストパフォーマンスを重視した販売戦略を検討します。

「SWOT分析」と組み合わせる(自社分析)

SWOT分析では、自社の強みや弱みを把握し、どのように市場シェアをとるか、反対にどのように脅威と対抗するかなど自社を中心とした分析を行います。
強みや良い部分だけではなく、弱みや脅威にも視野を持つことで、攻めの戦略だけでなく、同時に守りの戦略も練ることができます。また、自社の内部環境だけでなく、外部環境にも目を向けることで、参画する市場の中で自社の立ち位置を客観的に把握することが可能です。

SWOTは、以下4つの観点から分析をします。

・Strength(自社の強み)
内部環境で商品・サービスの目標達成に貢献しうる要素(組織体制、技術力の高さ、商品・サービスの品質など)
・Weakness(自社の弱み)
内部環境で商品・サービスの目標達成の妨げになりうる要素(人材の不足、資金の不足など)
・Opportunity(市場機会)
外部環境で、商品・サービスの成長に大きく貢献しうる要素(競合の減少、市場ニーズの増加など)
・Treat(脅威)
外部環境で、商品・サービスの成長の妨げとなりうる要素(顧客ニーズの変化、競合が高性能の商品を開発など)

3C分析の事例

1.通信サービス(携帯電話)の事例考察

日常生活で欠かせない身近な存在の携帯電話をもとに、3C分析を行ってみます。
「自社」の設定は、大手携帯キャリアのB社とします。

市場・顧客の分析(Customer)
まずは、市場の規模や、成長性を分析します。市場をより広い視点でみるため、景気や政治の動向などの社会情勢も把握します。次に自社の属する業界の新規参入企業や、競合関係、競合商品など、自社を取り巻く環境に影響を与える要因を分析することで、業界全体の関係性を把握します。

・総務省がモバイル業界に向けて携帯料金の値下げやプランの簡素化などを盛り込んだアクションプランを発表したことから料金プランの是正が行われた。
・5Gサービスの開始
・格安SIMが登場し、大手キャリアのシェアを奪っている。
・携帯電話の普及率は100%を超えており、売上高も横ばい傾向にある。
・動画配信サービスの利用やSNSの普及によりデータ通信量が大きいプランの利用者が増加している。
・メッセンジャーやLINEを利用したチャットコミュニケーションが主流になり、キャリア通話に対する需要は減少傾向にある。
・iPhoneをはじめ高性能のスマートフォンが定期的にリリースされている
・スマートウォッチやスマートグラスの登場は、ポストスマートフォンになると予想されている。
・スマートフォンが高性能になっていくなかで、機能が多すぎて使いづらい、使いこなせないと感じている。
・格安SIMを提供するMVNOが増えているなかでも、サービスの質や信頼度から大手キャリアを使い続けているユーザーも一定存在する。

競合(Competitor)分析
次に競合となる企業・商品を特定し分析を行います。先に分析した顧客・市場の変化に対応した競合がどのような施策を打ち出しているのか分析をします。競合企業の施策結果を知るためには、競合企業の売上や利益率、シェア率などのデータ検証が有効です。
今回は市場シェアを占める大手携帯キャリア会社と新規参入がめまぐるしい格安SIMを提供するMVNOの2つにわけて競合を捉えることにします。

①他の大手携帯キャリア
・国からの料金プラン是正の働きかけにより低価格プランの発表しており、値下げ競争が活発になっている
・動画コンテンツの需要の高まりに対して、60GBの大容量を利用できるプランや、データ通信料を無制限に利用できるプランを発表
・容量をあまり使わないユーザーに対してデータ量に従って料金が変化するプランの用意
・動画配信サービスが利用できるプランの用意
・人気の高いiPhoneを取り扱いシェアを伸ばしている。
・グループ企業との提携によりキャンペーン内容を差別化している。

②格安SIMを提供するMVNO
・低価格なプランや格安スマートフォンの販売で、低価格を求めるユーザーに対して訴求し、シェアを伸ばしている。
・シンプルな料金体系を展開し、モバイル業界の問題とされていた複雑な料金体系からの是正を図っている。
・大手携帯キャリアと比較して最低利用期間が短い。
・他社からの乗り換え時、高額なポイント還元やキャッシュバックがある。
・独自の電波を利用することで格安SIMの弱みであった回線の速度が向上している。

自社の分析(Company)
最後に自社の内部環境を洗い出し、これまでに分析してきた顧客・市場、競合分析の結果と照らし合わせることで競合企業と対抗できる手段になる、自社の独自性や強みを見つけることにもつながります。なかなか見つからない場合は、ユーザーインタビューやアンケートなどを用いると効果的です。

・モバイル市場は大規模ではあるが、飽和状態のため事業の成長率は著しくない。
・他のキャリア同様、低価格プランや大容量データ通信プランを提供開始した。
・新プランを発表したものの料金に不満を抱いているユーザーが格安SIMに乗り換えをする可能性がある。

3C分析を行うと以下のような課題が抽出されました。

・顧客視点で自社を捉えた際に、顧客から選定していただける独自性や明確な理由が弱く、他の大手キャリアとの差別化ができていない。
・格安SIMに比べ価格面で劣っている。
・スマートフォンの進化で便利になる一方、機能を使いこなせていないと感じている層の対応ができていない。

課題が抽出できたらそれぞれの課題について対処法を考えます。

たとえば「他の大手キャリアとの差別化が弱い」という課題への対策としては「長期契約ユーザーに対する特典を増やす」ことや、「外部提携を行い、サービスの充実を図る」などが挙げられます。また、「MVNOに価格面で劣っている」という課題への対処策としては「データ通信料に応じて毎月の請求金額を変更するなど大手キャリアならではのサービスの充実を図る」という対応を取ることで、比較的データ通信を使わない利用者の負担額を軽減させる案も挙げられます。「高性能なスマートフォンを使いこなせていないと感じている層」には、「シンプルな機能のみを搭載したスマートフォンの販売」で対応する方法が考えられます。

2.動画配信サービスの事例考察

今度はサブスクリプション型の動画配信サービスを行う企業を自社として考察してみます。

市場・顧客の分析(Customer)
・若年層を中心にテレビ離れが広がる一方、動画配信サービスの需要は高まっている。
・データ通信料の多いプランへの加入や、Wi-Fiを利用し、PCを持たなくても携帯電話で気軽に動画コンテンツをみることができる。
・コロナ禍の巣ごもり需要には追い風となったが、業界内では寡占化が進んでおり、ユーザーの奪い合いが起きている。
・見放題作品の充実や、独占配信のコンテンツをきっかけに入会する顧客が多い。
・通勤、通学時間を利用して動画を楽しみたい。
・家事の合間など「ながら動画」を楽しむため、吹き替え作品があると嬉しい。

競合の分析(Competitor)
・追加料金なしで音楽配信サービスや電子書籍サービスなども利用可能
・ドラマやバラエティ番組の配信は局によって偏りがある。
・国内作品を中心としたバラエティ、アニメ配信が豊富
・最新作品が少ない。

自社の分析(Company)
・オリジナル作品を多く展開している。
・オリジナル作品のクオリティが高い。
・使い方に合わせて料金プランが選択できる。
・吹き替え対応作品が少ない。
・国内作品の数が競合に比べて少ない。
・海外の映画配信が豊富

課題
・日本国内においてオリジナル映画やドラマはSNSでも度々話題になり20代~30代を中心に注目を集めている一方で競合に比べ、日本国内作品の作品数が少ない傾向にある。
・業界内では寡占化が進んでおり、通常の動画配信以外の新たなサービス展開がユーザー獲得の鍵となっている。

対処法
・国内アニメやドラマ、映画の拡充
コンテンツの偏りによって入会を見送ったり、退会したりするユーザーのニーズを満たし、幅広い年代に見てもらえるチャンスが増えることで競合のシェアを獲得することにつなげる。
・VR(仮想現実)と組み合わせた新しいサービス展開
バーチャル世界に人間の動きを反映させ、リアルな体験ができるVRに対応した作品を展開することで、映画やドラマ、アニメのほか、絶叫マシーン体験、海外旅行体験など様々なバーチャル体験を日常的に楽しむことができる娯楽サービスが実現する。VRの人気と、コロナ禍で行動制限を強いられているユーザーの欲求に対応したサービス展開で新たなユーザー獲得につなげる。

まとめ

3C分析は、マーケティング戦略を立案する際、初動フェーズで使用されるフレームワークです。まずは3C分析を入念に行い、自社と自社を取り巻く外部環境の状況を的確に把握することで、事業の勝ち筋をみつけることができます。常に最新の情報をキャッチアップし、分析結果の見直しや改善を繰り返すことを忘れずに行いましょう。また、目的によって他のフレームワークを取り入れ、様々な視点から分析することも大切です。

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