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既存の顧客基盤を活用し、市場シェアの底上げに成功

2021/09/14

デリバリー事業の拡大計画に伴うマーケティング戦略の急務

組織的背景、課題

IT企業として複数事業を持つ同社では、10年以上前からフードデリバリー事業を展開していたが、注力事業ではなかったことから、シェアは伸び悩みを抱えていた。しかし、コロナ禍の巣ごもり需要が強い追い風となり、新型コロナウイルスの感染拡大で外食需要は大きく落ち込む中、多くの飲食店は減少する売り上げをカバーすべくテイクアウトやデリバリーを始めており、市場拡大が続いている。
市場の成長とともに、参入する企業も急増しており、すでに外資系企業を含め、ベンチャーから大手まで様々な規模の事業者が市場でしのぎを削っている。市場の成長の余地はまだ大きく、競争の激しさが一層増している。
同社では、市場の成長に対して改めて本腰を入れてデリバリー事業拡大を目指すため、業界内でのポジションの取り方や広告宣伝の戦略などを行うため、CMOレベルの人材を探していた。

他事業部の顧客基盤を活用し、キャンペーン施策、プロダクト改善に着手

解決策

部署横断でマーケティング戦略の実行経験が多数あるマーケターをアサイン。国内におけるフードデリバリーサービスは外資参入も含め複数の選択肢がある。大きなビジネスチャンスをものにしようと新規事業者が続々参入している中、シェアを伸ばしている各社では、ユーザー獲得のため、有名人を起用したテレビCMを打つのなど巨額な資金を投下した広告展開に加え、初回無料などキャンペーン競争が加熱している。
同社では、フードデリバリー事業での認知率は低いものの、企業としての認知率や、他事業部での顧客基盤がすでに備わってた。認知率の最大化として、マス広告、テレビ番組とのタイアップコンテンツなど宣伝広告を強化。EC事業、クレジットカード事業と連動したポイントキャンペーンを行い、すでに構築されている顧客基盤を活用し、顧客へのコミュニケーションフローを構築。また、アプリのプロダクト改善にもテコ入れをし、クーポン、ポイント、お知らせ配信といった販促機能、集計・分析機能を拡充させた。

(業務内容)
・顧客インサイトの発掘
・マーケティング戦略の策定
・市場調査
・STP分析、4P設計、3C分析
・PR、コミュニケーション戦略の立案
・メディアリレーション先の選定
・アプリのプロダクト改善

市場シェア2%から10%へ引き上げに成功

成果

適切なポジション設計や効果的な広告宣伝、組織内の顧客基盤を活用することで、2%程であった市場シェアを10%まで引き上げることに成功。掲載店舗は、中小事業者をメインに選定をしていたため、アプリ内にには、チェーン店ではなく、個人営業の人気店を中心に掲載が並び、ユーザー数を伸ばすことに成長。また、ユーザーアンケートの実施から、多くのユーザーはいくつかの決まった飲食店でのみ注文をしていたことがわかった。フードデリバリーサービスでは認知の獲得が入り口となり、その後はアプリ内でファンとなったユーザーとの接点を強化することが重要だという結果から、固定ユーザーへ特化した送料無料キャンペーンやクーポン施策を行い、リピーターの増加に成功した。
競合が大々的なテレビCMを打つ中、同社では、顧客基盤を活用し、顧客インサイトの発掘や、綿密なプロダクト改善による顧客との接点を強化したことで広告費を抑え、利用ユーザーや配達員に還元する仕組みを構築。ユーザー目線のプロダクト改善や配送料の適正化、配達員の報酬の引き上げにより、店舗の登録申し込みが急増しても休止することなく事業を拡大できる体制が備わった。

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