デジタルマーケティング

Webマーケティングとは?

2021/11/19

今は一般的となったWebマーケティングですが、多くの場合がある一つの施策から手を出して、全体的な設計や施策の優先順位ができておらず、自社サービスの特性や事業フェーズを無視した取り組みを行い、選択の失敗が起きています。

本記事はそもそものWebマーケティングの強みやWebマーケティングだからできることを理解して頂きます。その特徴を活かして、自社では売上の構成がどのように成り立っているかKPI設計の全体像を掴み、最後にはWebマーケティングの主な施策一覧を全体像として捉えてもらいます。施策の詳細に関しては、デジパラメディア内で別の記事として展開致します。

Contents

Webマーケティングとは?

一言で表現するとオンライン上でマーケティング活動をすることです。テクノロジーの進化に伴い生活者の行動が大きく変わりました。Googleで知りたい情報を検索したり、ネットメディアで記事を読み、SNSで友達と繋がり、動画サイトでコンテンツを視聴したりする事は今では当たり前になってきました。その様な人々の生活にかかせないデジタル空間(メディア)に対して、オンラインの広告を出稿できるようになりました。

なぜ各社Webマーケティングに取り組むのでしょうか?

例えば、
・オンラインメディアが普及したから
・あらゆるコミュニケーション手段があるから
・データとAIを活用したマーケティングができるから

ここまでWebマーケティングが普及した大きな理由は「広告の民主化」が大きく起因しています。これまでのマスメディアは多くの人に広告を届けられる代わりに高い広告費を払う必要がありました。そのため、一部の大手企業しかマス広告を出稿することができなかったのが実情です。その反面、Webマーケティングは少ない予算から始めることができて、誰でも好きなタイミングで広告出稿ができます。まだ小さな企業でも投資可能な予算の中でマーケティング活動を行い、少しずつ今ある予算から売上を増やし、継続的な広告運用により売上を拡大し続ける企業が出現してきました。その結果、多くの企業がWebマーケティングを取り組み始め、今ではどの企業でも当たり前のようにマーケティング活動が実施できるようになりました。

オンラインメディアが普及したこと

時代が変遷しオンラインメディアの規模が急速に拡大している。

オンラインメディアがどのくらい普及しているのでしょうか。日本国内の広告費のデータによると、2020年で全体の広告費が約6.1兆円に対して、インターネット広告はおよそ3割以上の約2.2兆円です。一方、旧来のマスメディア4媒体(新聞・雑誌・テレビ・ラジオ)は合わせて約2.2兆円でインターネット広告と同規模になります。

インターネット広告の予算規模の成長がわかるデータとして、2015年の段階ではインターネット広告の総出稿額は約1.1兆円の規模でしたが、2020年の5年間で広告費が2倍までに成長していることがわかります。他の旧来型メディアは年々減少している傾向に対して、インターネット広告の予算が急激に伸びていることは明らかです。

参考データ:2015年 日本の広告費(https://www.dentsu.co.jp/knowledge/ad_cost/2015/)

参考データ:2020年 日本の広告費(https://www.dentsu.co.jp/knowledge/ad_cost/2020/)

このインターネット広告費の成長から見てとれる通り、テクノロジーの進化でオンラインメディアが普及し、自社のターゲットになりえる顧客とコミュニケーションがとれるオンラインメディアに企業が広告投資を増加していることがわかります。

あらゆるコミュニケーション手段がある

オンラインメディアが旧来メディアと違うのは広告主から顧客へのコミュニケーション手段が多様化している点です。

<場所>
・なにか調べたいものがあって検索した時
・ニュースの一覧や記事の文章内
・動画と動画の間や、動画そのもの
・SNSのタイムラインの中
・メールやLINE等のチャットツールの枠
・オンラインゲームの画面の中

<タイミング>
・移動中の時(通勤中、お出かけ)
・仕事中に調べ物している時
・お家で暇つぶししている時
・ご飯を食べている時

オンラインがあらゆる生活内に溶け込んでいるため、ライフスタイルに合わせたコミュニケーションの場所、タイミングのマーケティング手法が多様化しています。さらに広告だけではなく、自社メディアを立ち上げたり、SNSアカウントの運用やYouTubeチャンネルの運営など自ら情報メディアとして発信することもできるのがオンラインの特徴になっています。

データとAIのマーケティング

オンラインメディアは膨大なユーザーの行動がデータ化され、そのデータがあらゆるマーケティング活動に活用されています。

<Webマーケティングをやると>
・どれくらいの人に広告やコンテンツが見られたのか?
・どれくらいの人に興味を持たれてクリックされたのか?
・その結果、自社のサービスをどれくらい申し込んでくれたか?
・どんな人がどの経由で申し込んでくれたか?
・どの広告でどれくらいの利益が生まれたのか?

自社のマーケティング活動による結果がデータとして残り、そこからなにが良くて、なにが悪かったのかすぐに結果を判断できて次はどういったアクションを行うか、検証サイクルを繰り返し続けることが可能になりました。

<広告媒体側のAI機能>
・ユーザーがどんなことに興味をもっているか?
・どういった行動をよく行うのか?
・どこに住んでいて、性別、年齢なのか?
・自社のサイトに訪れてくれたのか?

広告媒体がデータ化して、広告主がどういったユーザーに広告を配信するのか選ぶことができます。さらにAIが学習してどのユーザーが広告のサービスに興味を持ってもらえるか広告配信の結果から自動学習で分析をおこない最適化される時代になりました。

Webマーケティングの目的

<継続的に新規顧客を獲得するため>
・運用型広告のような改善を繰り返しながら新規顧客数の拡大を目指す。
・オウンドメディアのような特定の検索ワードでPV数を増やし新規顧客数を増やす。
・SNSやYouTubeでコンテンツを発信することでファンを増やし顧客化する。

<顧客データを分析してビジネスに活用するため>
・検索広告や自然検索からどういったキーワードでユーザーがサイトに訪れているのか把握する。
・広告クリエイティブやコンテンツをあらゆる角度でテストを行い、ユーザーが何を求めているか把握する。
・CRMを活用して顧客とのコミュニケーションを継続的に行うことで、顧客のライフスタイルやニーズに合わせて情報発信や商品開発、便益の提供をする。

Webマーケティングができないと起きる課題

・減少傾向にあるオフラインのみの集客に頼らざるしかない。
・顧客が自社サービスを見つけられない、接点がつくりにくい。
・営業や接客等の人材リソースにお金がかかる。
・継続的なコミュニケーションができない。
・顧客のライフスタイルにあったコミュニケーションができない。

Webマーケティングを実施するメリット

・顧客データの蓄積やデータドリブンなマーケティング活動ができる。
・広告クリエイティブの多量検証や双方向コミュニケーションができる。
・継続的な新規顧客の獲得ができる。
・新規顧客の獲得が仕組み化することで人的リソースがかからない。
・コンテンツでノウハウが資産的に蓄積できる。

2. Webマーケティングの全体構造とは?

<3つの要点で構成されている>
・集客 → 見込み顧客との接点をつくり、認知や興味を引き出す。
・接客 → サービスや商品理解を深め、購入を促す。
・継続 → 顧客との継続的なコミュニケーションを行い、購入を促す。

例えば、サービスの宣伝をするためにYouTubeで動画広告を配信する
→ 見込み顧客が興味を持ち動画を最後まで視聴
→ ユーザーがもっと詳しく知りたかったのでサービスサイトへのリンクをクリック
→ サイト内の説明でコストに対して利用するメリットに納得感があったので購入した。
→ 以降も有益な情報がメールで届き勉強になるので継続的に利用している。

といった認知から購入以降においてユーザーの一連の行動に対してアプローチを行い、それぞれマーケティング施策を設計、実行することができます。

さらに集客、接客、継続のステップにおいてどのような考えで施策をプランニングしているのか、5W1Hのフォーマットを活用し、目的を整理しましょう。

・集客
(例)
Why → 自社のサービスが認知されていないため、ユーザーに認知されたい。
Who → 自社サービスを知らないが、その領域や事柄について興味がある人。
What → ユーザー自身が課題を認識しており、解決策としてサービスの便益を伝える。
How → Web広告の動画フォーマットで興味がある人向けに詳細に説明をする。
Where → YouTubeの動画と動画の間で広告配信を行う。
When → ユーザーが仕事終わりの余裕のあるプライベート時間で広告を配信する。

・接客
(例)
Why → LPに訪れたユーザーが増えているが購入数が増えない。
Who → 興味を持ってLPに訪れたが、LPを離脱してしまうユーザー。
What → すぐに離脱していることがわかっているため具体的な解決策を伝える。
How → ユーザーの課題を具体的なコピー、伝わりやすいデザインと実績を数値で伝える。
Where → LPで最初に表示される訴求内容を変更する。
When → SNSで広告を見て訪れているため短い時間で伝える必要がある。

・継続
(例)
Why → 新規で購入してくれた顧客が継続的に利用してくれない。
Who → 直近で自社の商品を利用してくれた人。
What → 商品を利用し続けるメリットや再購入するお得なプランを用意する。
How → 購入時に登録しているメールアドレス宛にご案内を送る。
Where → メール文内の説明とキャンペーン専用のLPで説明する。
When → 購入から1ヶ月~3ヶ月以内の直近で利用し始めたユーザー。

Webマーケティング指標とKPIの構成

Webマーケティングでは顧客へのリーチから購入以降までデータ化することができ、それぞれの指標を数値として適切に把握することで、分析、改善ができます。

まずはユーザーの一連の購買行動からイメージをすると、

(1) ユーザーがYouTubeを見ていると動画の間で「A商品の広告」が表示された。
(2) 広告に興味がわく内容だったのでリンクをクリックして「A商品のサイト」に訪れた。
(3) サイトの案内で「A商品の無料お試しプラン」があったのでお申し込みをした。
(4) お試しプランが思いのほか良かったので「A商品の有料プランを5,000円」で購入した。
(5) さらに「2回目以降のA商品が3,500円」だったので継続して購入した。
(6) そして「1年間、毎月購入し続けた」が費用感の見直しをして解約をした。

上記の広告表示からから売上確定までの指標を構成した「KPIツリー」が下記です。

それぞれユーザー行動別に指標をみると

(1) 「A商品の広告」が表示
広告の表示した回数を「インプレッション」「表示回数」といいます。
広告以外もSNSの投稿の表示や、検索結果で自社記事の表示も含まれます。
YouTube等の動画広告は「再生回数」としてカウントします。

(2) 広告のリンククリック
広告のリンククリックした数を「クリック数」といいます。
A商品のサイトに訪れた回数を「PV数」といいます。
広告を表示してどれくらいの割合でクリックされたかを「CTR(クリック率)」といいます。
※ クリック数 ÷ 表示回数 = クリック率 (クリック率が高いほど高評価されます)

(3) 「A商品の無料お試しプラン」のお申し込み
サイト内のお申し込み回数を「CV数(コンバージョン数)」といいます。
広告をクリックした回数からどれくらいCVされたかを「CVR(コンバージョン率)」といいます。
※ CV数 ÷ クリック数 = コンバージョン率
※ クリック数の代わりにPV数を用いる場合もあります。

(4) 「A商品の有料プランを5,000円」で購入した
ビジネスによって「顧客化」の定義が違い、サイト内のお申し込み時点で「顧客数」を計算する場合もあれば、ユーザーが有償化した場合を「顧客数」とする場合もありますが、本記事は売上を基準としてKPIを設計する場合は売上が発生した時点を「顧客化」としその数を「顧客数」としてカウントします。
CVした人数からどれくらい顧客化(有償化)されたかを「転換率」といいます。
※ 顧客数 ÷ CV数 = 転換率

(5)(6) 顧客単価、契約期間
1回目の購入が5,000円 × 1ヶ月の購入 = 5,000円
2回目以降の購入が3,500円 × 11ヶ月の購入 = 38,500円
1顧客の合計購入額(LTV)が43,500円が売上となります。
1顧客の契約期間は12ヶ月(初回 1ヶ月 + 2回目以降 11ヶ月)となります。

1顧客だけをフォーカスして話しを進めましたが、実際は顧客毎に「顧客単価」や「継続期間」が違うため、それぞれ平均値を算出して「LTV(1顧客の合計購入額)」を計算する必要があります。平均のLTVに想定の新規顧客数を掛け合わせて計算すると想定の売上金額が算出可能となります。

想定の新規顧客獲得数が100名
新規顧客の獲得にかかる集客コストが100万円
1顧客のLTVが3万円 × 新規顧客100名 = 売上300万円

経営目線としての計算指標として集客コストに対してどれくらいの売上を増やせるかを費用対効果として計算する場合、
売上300万円 ÷ 集客コスト100万円×100% =ROAS:300%

売上に対して粗利益率が50%の場合、150万円でどれくらいの投資対効果になったかを計算する場合、
販売利益150万円(売上/粗利率) ÷ 集客コスト100万円 ×100%= ROI:150%

となります。
結果、集客コスト100万円使って販売利益が150万円になり、50万円が最終的に利益として残る計算です。この全体指標の構造を理解したうえでKPIを設計し、各指標をどのくらいの数値まで目指すかシミュレーションを行い、そのために実行する施策を決定して日々、到達可能か、データドリブン的に全体の運営を継続しつづけることでWebマーケティングの活動を最大化することができます。

集客施策について

KPIの構成において集客施策で目指すのは、
・見込み顧客にコンテンツを表示する → インプレッション
・見込み顧客がサイトリンクをクリックした数 → クリック数
・見込み顧客がサイトリンクをクリックした割合 → クリック率 (CTR)
・見込み顧客がサイトに訪れた数 → PV数
・見込み顧客がサイトでサービスを申し込んだ数 → CV数
・見込み顧客がサイトでサービスを申し込んだ割合 → コンバージョン率 (CVR)

集客施策の活動は
・より多くの見込み顧客に自社サービスの「広告やコンテンツを見てもらえるか?」
→ 見込み顧客が多くいるプラットフォームやメディアはどこか?
→ 見込み顧客の性別、年齢、行動の傾向や主な関心ごとはなにか?
→ 見込み顧客はどのようなライフスタイルで最適な宣伝のタイミングはいつか?

・より多くの見込み顧客に自社サービスの「サイトに訪れてくれるか?」
→ 見込み顧客はどのような言葉に反応し、どのような画像に好感を持つのか?
→ クリック率で広告やコンテンツを相対評価することで見込み顧客の反応を分析する。
→ どのプラットフォーム、メディアで見込み顧客の反応が違うか比較する。

・より多くの見込み顧客に「自社サービスを申し込んでくれるか?」
→ 最終的にサービスを申し込んだ顧客はどういった属性か?
→ どういった広告やコンテンツから顧客はお申し込みに至ったのか?
→ どのプラットフォーム、メディアから顧客はお申し込みに至ったのか?
→ 興味を惹いた広告と購入に至った広告の違いはなにか?
→ 今後、同様のやり方で継続的に新規の顧客を獲得することは可能か?
→ 今後、より多くの新規顧客を増やすにはどのようなアプローチがあるか?

といった問いを一つ一つ把握していく必要があります。

シンプルな説明だと見込み顧客は
「誰でどこにいるのか」→ 発信先の選定やターゲットの選定
「何を伝えればいいのか」→ コミュニケーション設計、コピーライティング
「どのように伝えればいいのか」→ コンテンツ制作
を上から設計して、実際にテストをしながら結果を相対的に評価して改善を繰り返します。

コンバージョン率の改善について

KPIの構成においてコンバージョン率の改善で目指すのは、

・商品ページからお申し込みフォームに遷移した割合 → フォームへの遷移率
・お申し込みフォームからお申し込み完了した割合 → お申し込み完了率
・見込み顧客がサイトに訪れてサービスを申し込んだ割合 → コンバージョン率 (CVR)

主に顧客がサイトに訪れてお申し込みしてもらうまでの過程で、顧客の商品理解度を高め、お申し込み数の確率をあげることができるか改善を繰り返す活動です。

<コンテンツ制作>
・顧客が求める情報や流れ → コミュニケーション設計
・どれくらいの情報量でどのように情報をまとめ、分類するか → コミュニケーション設計
・比較検討できる情報の提示、疑問点を想定してQ&Aで用意 → コミュニケーション設計
・なんのサービスで何を提供してくれるかわかりやすく伝える → コピーライティング
・客観的な実績の定量化や外部的な評価による証明 → 数値や権威性による好感
・どのような表現が顧客に伝わるのか、情報として理解されやすいか、 → デザイン
・文字や絵や映像など、どのように伝えれば伝わるのか? → デザイン

<成果ポイントの設計>
顧客の心理ハードルを想定して何を成果ポイントとするか、顧客にとってはハードルを把握して取り除く必要があります。

例えば
「どのような商品か実際に見て判断をしないとわからないから買わない」
「メリットを享受しないとお金を払いたくない」
「サービスについて具体的に理解しないと判断できない」
「興味はあるけど買うかは今判断できない」など
あらゆる理由でそのサービスが欲しいけど買わない理由が発生します。

特にオンラインが進んだ生活では、
・実際に商品を手にできないことによる不安
・目に見える信頼できる人からの提案がない不安
・情報が溢れた社会においての失敗したくない不安
・無料で利用できるサービスが多い中でお金を払う理由
・お金を払いたくなるタイミングの相違など

オンライン化が加速したことによる心理的ハードルが発生しています。
自社サービスは顧客の検討過程において

・成果ポイントは何にするか?
・その際に顧客にどのようなアクションを促すか?
・どのように心理的ハードルを下げることができるか?

などコミュニケーションの設計をする必要があります。

<お申し込みフローの設計>
オンライン上では申込完了する前まではどのタイミングでもキャンセルをされてしまう可能性があります。リアルの場ではサービスのお申し込みや商品の購入など、セールスマンや販売員などを目の前にした時、キャンセルするハードルの方が高まります。しかしオンラインは違い、キャンセルできるハードルが容易です。
移動中やテレビを見ながら、あとで購入しようとして、お気に入り登録やカートに入れたままで忘れてしまうという経験が皆様も1度はあるのではないでしょうか。

いかにしてスムーズに購入体験を提供するかあらゆる角度で最適化していきます。
・期間限定のお得なプランを用意されているか?
・お申し込みのステップの数は最適か?
・あと何回のステップを経て申し込みは完了するのか把握できるか?
・記入項目の数や必要な情報は適切か?
・決済のメニューは適切に用意されているか?
・個人情報や決済情報が自動入力できる環境はあるか?
・記入のしやすさや煩わしさを解消できているか?

継続的なコミュニケーションについて

KPIの構成において継続的なコミュニケーションが目指すのは、

・CVから顧客に転換する → 転換率
・顧客一人の売上を増やす → 顧客単価
・顧客の購入期間を伸ばす → 契約期間

<CVから顧客に転換する>
顧客がサイトでお申し込みをしてからも次なる成果ポイントに向けて継続的なコミュニケーションが必要になり、下記のようなケースにおいて転換率が重要となっていきます。

・お申し込みをしてからセールスマンが商品の具体的な提案がある
・お試しの商品を購入してから有料プランの購入を促す
・1回の購入だけではなくリピートで購入してもらうように促す
・魅力的なプランで課金してもらうように促すなど

サイトのお申し込みが最終の成果ポイントではない場合は取りこぼさないように継続的なアプローチが必要です。オンラインやオフラインの両面で顧客に適切なタイミングでコミュニケーションを行い、顧客のニーズにあったプランを提示する必要があります。

一度話しを聞いてみる、試してみるといった顧客のモチベーションと実際にお金払ってすぐにでも利用してみるといった顧客のモチベーションは違うためサイトからのお申し込みとは切り分けて最適なアプローチを設計することが大事になってきます。

<顧客一人の売上を増やす>
売上を伸ばすには新規顧客を増やすことのみに意識が向きがちですが、一人あたりの売上額を増やすアプローチも重要な施策です。パレートの法則(8対2の法則)のように「上位2割の顧客が売上の8割を占める」といったビジネスがほとんどです。

上位2割は残り8割に比べそのサービスをよく利用してくれる、コアファンやロイヤルユーザーと呼ばれる顧客に該当します。自社のサービスやブランドに好感を持っており、利用し続けてくれるため、新たな商品やグレードアップした商品に強い関心をもってくれる可能性が非常に高いです。まったく知らない会社、ブランドの商品より普段から利用している会社やブランドのサービスの方が心理的安心感が高くユーザーの傾向としては利用したくなります。

この信頼をビジネスに活用するのであれば「アップセル」のようなグレードアップした商品の購入を促したり、「クロスセル」といった別商品の購入を促すことによって売上を伸ばすことができます。顧客が「あなたの会社やブランドだったら、よりグレードアップの高い商品や別の商品を買っても良い」と信頼を得るところからがこの施策の大きな土台となっています。

信頼を構築してないタイミングでグレードアップを促したり、別商品を提案すると、将来のコアファン、ロイヤルユーザーになる可能性があった顧客を逃してしまう危険性があるため、長期スパンで顧客との関係値を設計する必要があります。

<顧客の購入期間を伸ばす>
一度自社の商品を利用して継続活用されなかったら、絶え間なく新規顧客を増やさなければいけません。その状況はマーケティング活動として不健全でいつか事業運営の終わりを迎える可能性が非常に高いです。

商品を継続して利用されない理由の多くは「商品」が良くないからです。
・広告やセールスで期待していた内容と違った。
・普段必要なものでも、なにか解決するものでもなかった。

この結果から顧客のフィードバックを確認して、何が明確に足りないのか、根底に顧客が求めるのはなにか、そのアプローチはまた違った形が必要なのか、など商品開発に反映する必要があります。

また、商品を継続して利用しない理由として「うまく使えなかった」という理由もあります。
・商品を購入したが使い方がよくわからなかった。
・導入はできたが利用し続けるのが難しかった。

など商品を受け取ってからの利用部分でハードルがあり、商品の利用を諦めてしまう人も多くいます。顧客はなにか「楽したくて」「楽しみたくて」「便利にしたくて」お金を投資して購入するため、利用ハードルが高いとお金を払ったのに「めんどくさい」「楽しくない」「不便」を引き出してしまい、商品の利用をやめてしまいます。

商品を利用するタイミングや利用し続ける過程で、利用方法のわかりやすさ、利用し続けることのメリット、利用の目的を再確認、顧客へのモチベーションアップ、利用過程のフィードバックなどサービス利用時の設計やコミュニケーションで解決できることもあります。

・商品による課題で離脱するユーザー
・商品の利用ハードルで離脱するユーザー
など離脱するユーザーの割合が高いところから改善する必要があります。

Webマーケティングの施策一覧

最後にWebマーケティングの施策で自社の活動として今なにが必要か判断するためにも、大枠で施策全体を理解する必要があります。各広告媒体やツール、施策のアプローチ方法によって細かく違いがでてくるため、まずは概要を理解してきましょう。大枠がわかれば、あとは詳しく知りたいところを具体的に調べたり、該当のサービスサイトにアクセスして確認するなど、次のアクションに繋がるかと思います。

自社サービスを顧客に発信する場合、大きく分かれて3つのメディアが存在し、その3つのメディアをそのまま「トリプルメディア」と呼びます。

(1) ペイドメディア
ペイドメディアとは他社のプラットフォームやメディア上にある広告枠に広告を出稿してユーザーに情報を発信することです。プラットフォームやメディアに広告費を払えば確実に情報発信ができる点と広告費を払い続ける必要がある点が特徴です。

(2) オウンドメディア
オウンドメディアとは自社がメディアの役割を果たし、ユーザーに情報を発信することです。さらに自社メディアによる自社サービスの宣伝を目的とする場合があれば、メディアとして広告費や購読費などで収益化するビジネスモデルにも展開可能です。

(3) アーンドメディア
アーンドメディアとは他社のプラットフォームで自社サービスが拡散されたり、メディアからニュースとして取り上げられ情報として発信されるような、第3者からの情報発信が特徴的です。SNSなどでの拡散やメディアに取り上げられるようなコンテンツを戦略的に用意する必要があります。

Web広告 (ペイドメディア)

<Web広告の仕組み>
Web広告はあらゆるオンラインのプラットフォームやメディアにおいて広告を配信することができます。有名なのが「Google」「Facebook」「Amazon」が用意した広告枠に自社のサービスを配信できます。Web広告を理解するには、「広告枠がどこで表示されるのか」「誰に広告を配信できるのか」「どのように広告が表示されるのか」といったポイントで理解することができます。

(例) Google広告の検索広告メニューの場合

・広告枠がどこで表示されるのか?
ユーザーが検索した時に表示される検索結果の最上部と最下部に広告が表示されます。
・誰に広告を配信できるのか?
自社のサービスを利用してくれそうなキーワードを選定して、そのキーワードをユーザーが検索したら自社の広告が表示されます。特にユーザーがGoogleの検索で情報収集している(=自らが情報を求めて探している)状態なので、情報感度(解決策を求めている傾向)が高いです。

・どのように広告が表示されるのか?
基本はテキストのみで広告が表示されます。テキストは規定の文字数があるため決められた文字数の中で、自社商品の説明やメリットを伝える必要があります。また、広告枠は複数存在しており、キーワードによって競合のサービスが並ぶこともあるため、サービスの優位性を比較される可能性が高いです。

<Web広告のメリット>
誰でもどの広告媒体でも少ない予算から広告を配信することができます。さらにオンライン上で広告出稿の設定ができて、使用方法も広告媒体のヘルプページが用意されているので、わからないところを調べながら進めることができます。また、媒体が用意しているターゲット設定があり、ユーザーの性年代別の属性や興味感心などのメニューがあるため、自社の商品に興味が持ってもらえそうなユーザーに配信ができます。広告枠と人をターゲティングできるのはWeb広告ならではの施策で、広告予算も広告を止めたいタイミングで止めることが可能です。

<Web広告のコスト>
Web広告を始めること自体はハードルが低く、多くのプレイヤーがWeb広告を配信しているため、当然、自社サービスの競合と比較される可能性が高いです。そのため、どのようにして顧客に独自の優位性や便益を訴求できるかが重要です。

また広告コストのシステムは
・広告を表示されるたびにお金がかかる。
・広告をクリックされるたびにお金がかかる。
・広告をクリックしてからコンバージョンされるタイミングでお金がかかる。
・広告を一定期間掲載してその期間分のお金がかかる。

場合があります。
広告はオークション形式で価格が決定するため、広告クリエイティブの評価及び広告の入札価格で、広告枠に自社の広告が表示される優先順位が決まります。基本のロジックとしては、クリエイティブの評価が高く、より高く入札することで広告の表示回数が増えます。

より魅力的な広告クリエイティブを制作するコストや広告配信にかかるコストがあるので、顧客獲得にかかるコストに対して利益がどのくらい残るか、計算して広告予算を決める必要があります。

<Web広告の活用シーン>
Web広告を始めるときのハードルに低さ、いつでも始められてやめられるコントロールのしやすさから、まず集客領域でWebマーケティングを始めるならWeb広告から開始するパターンがほとんどです。また自社サービスと相性がよく、見込み顧客が多くいそうなプラットフォームやメディアを選択して宣伝ができるので、あらゆる手段があるのも優位性のひとつです。

SEO

<SEOの仕組み>
SEOはそのまま伝えると検索(サーチ) エンジンを最適化(オプティマイゼーション)することです。

仕組みで理解することは、

・検索エンジンとはなにか?
・最適化とはどのような状態なのか?

を理解していただきます。

・検索エンジンとはなにか?
検索エンジンを利用者目線で考えてみましょう。なにか調べたいものがあった際に、Googleの検索窓に調べたいことをキーワードで検索されるかと思います。そのキーワードに関連するWebページが縦型に検索結果として表示され、Webページの説明として見出しと説明文があり、自分が求めているWebページのリンクをクリックすることでそのWebページ(情報)にアクセスをします。

なぜ、Googleはあなたが「検索したキーワード」に該当する「ページをヒット」させて「自分が求めている情報」にアクセスができているのでしょうか。その仕組みを理解していきましょう。

Google側の目線として3つのポイントにまとめると

(1) Webページの情報を認識する。
(2) そのWebページを分類する。
(3) そのWebページを評価する。

ことで検索エンジンを成立させています。
Webページの評価が高いと、関連度の高いキーワードで検索した際に検索結果で上位表示がされます。

SEOとはつまり検索エンジンが「認識」「分類」「評価」によってWebページを管理しておりそのルールの中でいかに「Webページが認識されるか」「Webページの意図にあった分類をされるか」「検索エンジンに評価され上位表示されるか」といった要素をこちらの意図するように伝え、評価されるように務める行動です。

(1) Webページの情報を認識する。
もしあなたがWebページを作ったとして、実際にWebページは存在しているが、Googleの検索エンジンがあなたのWebページの存在を認識していなければ、Google検索エンジンの中にあなたのWebページは存在していないのと同義です。その状態ではユーザーの検索結果にあなたのWebページはいつになっても表示されないままです。

ではGoogleの検索エンジンはWebページをどのように認識しているのでしょうか。それはGoogleが大量にあるWebページを高速で認識するため開発された読み込みロボット「クローラー」が回遊しており、クローラーがWebページを読み込むことを「クローリング」と呼びます。

クローラーにクローリングしてもらったり、いかにクローリングされやすくするかはSEOの一歩として対策方法があります。

(2) そのWebページを分類する。
Googleの検索エンジンが、あるWebページを認識しても、検索エンジンの目的は「ユーザーの検索キーワードに最適なWebページを表示すること」になるので、あるWebページがどの検索キーワードに該当するか分類する必要があります。Webページを分類してGoogleの検索エンジン内にそのWebページを登録することを「インデックス」といいます。インデックスされた段階でようやく、検索エンジンの検索結果からユーザーがそのWebページにアクセスすることが可能となります。

まず「インデックス」されることも重要ですが、ここで重要なのはそのWebページが何のジャンル、カテゴリのWebページなのか、どの「キーワード」で検索結果に表示されれば良いのかを考える事です。こちらの意図する形で検索エンジンにそのWebページを認識してもらえるかで、コンテンツとしてのアプローチにも大きく影響してきます。

(3) そのWebページを評価する。
検索エンジンは「ユーザーが求める情報に ”最も” 近い情報を提供する」ことを一番重要視しています。この”最も”が重要であり、その結果が検索結果のランキング順で縦に並んでいます。1位が評価として高く、相対的に100位は評価として低いのです。さらに1位は多くのユーザーの目に触れる機会は多く、100位まで確認するユーザーは少ないことからわかるように、ランキングが高ければ高いほどユーザーに自社のWebページのリンクをクリックする(訪れる)回数が増え、低ければ低いほどユーザーにサイトページが認識されずWebページのリンクをクリックする(訪れる)回数は少ない、もしくは全くない状況となります。

Webページが検索エンジンに認識されても、ユーザーに認識されなければ最終的には存在しないこととイコールです。最終目的はユーザーに自社のWebページをユーザーに認識されサイトに訪れてもらい高い評価を得ること、その過程で検索エンジンのルールに準拠する必要があります。

ユーザーの立場
(1) ユーザーは自分が求める情報に近いWebページを探している。
(2) 検索結果の上位順からWebページを確認する。
(3) 求める情報があるWebページは読み込む、そうでない場合はすぐにそのページを閉じる。

検索エンジンの立場
(1) より多くのユーザーに検索エンジンから情報(Webページ)にアクセスしてほしい。
(2) そのためにはユーザーが求めるものに近い情報をリストアップして検索結果として提示する必要がある。
(3) リストアップした情報からユーザーに求めていた情報だったか判断をして、次からそのWebページを評価し、おすすめする記事としてより高い検索順位に表示することでユーザーの目的を達成する確率を上げる。

といったことが考えられます。
ユーザーが何を求め、検索エンジンはどのような情報からWebページを評価するか。
この2つの視点でSEOは行われていきます。

<SEOのメリット>
ユーザーの検索行動は能動的なアクションであり、情報を求めているユーザー(情報感度が高まっているユーザー)に自社のWebページにアクセスしてもらうことができます。あらゆるキーワードからユーザーにアクセスしてもらうことができるため、ヒットするキーワードの数だけ選択肢も多くなります。さらにWebページが多ければ多いほど、情報量が増え評価される機会も高まるので、情報が蓄積されるほどより評価の高いサイトになります。つまりコンテンツを資産として蓄積することができます。

<SEOのコスト>
・検索結果に表示されるための検索エンジンに支払うコストは0円
・ただWebページを制作したりSEO対策する労働コストはかかる。
・検索エンジンのルールが変わり続けるので対策のノウハウや労働コストがかかる。
・すぐに結果がでにくいため時間的コストがかかる。

<SEOの活用シーン>
オウンドメディアのような自社が保有しているメディアサイトや、業界特化であらゆるサービスや商品、店舗などまとめたポータルサイト、EC(eコマース)で多くの商品を販売しており商品ページが大量にあるサイト、提供メニューが多く顧客のニーズによって提供するものが変わるサービスなど、多くの情報をまとめ顧客によって提供する情報が変わるサイトが比較的多いです。逆にLPのように少数の商品だけを宣伝する場合はSEO対策をする必要はあまりないです。

オウンドメディア

<オウンドメディアの仕組み>
オウンドメディアとは自社がメディアとなり情報をコンテンツにまとめ、情報発信したり、その情報にアクセスしやすくしたりすることです。文字メディアであればサイトへのPV数を増やしたり、音楽メディアであれば再生回数を増やしたり、動画メディアであれば視聴回数を増やす活動を行います。

自社のメディア機能の中に自社サービスの宣伝機能が含まれており、自社メディアの情報がユーザーに届けば届くほど自社サービスの宣伝に繋がります。

<オウンドメディアのメリット>
自社のメディアである大きな優位性は、コンテンツを蓄積できる資産価値です。ペイドメディアであれば広告費を払えば情報発信できますが、払えなければ情報を発信し続けることはできません。アーンドメディアにおいても継続的に拡散されたり取り上げられる可能性も難しく、どちらもコンテンツが蓄積されず流れてしまいます。オウンドメディアはユーザーを集めることができれば継続的にコンテンツが発信でき、ユーザーに見てもらうことが期待できます。コンテンツを蓄積することがメリットであり蓄積した情報の密度がメディアを強くする一方で、継続してユーザーの求めるコンテンツを発信し続けていく必要があるため、長期的な労力が必要です。

オウンドメディアとして代表的なものが、
「メディアサイト」「YouTubeチャンネル」です。

メディアサイトは記事やダウンロード資料などのコンテンツを作成してユーザーの検索結果に自社Webページを表示したり、SNSを活用してコンテンツを発信したり、顧客にメールやLINEで案内することで新規ユーザーにリーチすることができます。その際にオウンドメディアのコンテンツが活用されます。オウンドメディアの経路として「検索からの経路」「SNSから経路」「直接サイトに訪れる経路」などが考えられます。

YouTubeチャンネルはYouTubeに動画を上げる事で、YouTube内の検索結果やYouTubeタイムラインのおすすめ枠で表示されてユーザーにリーチすることができます。YouTubeは利用するユーザーが多い点や、動画を見る人の多くが時間的な余裕があるタイミングで視聴をしています。そのため、視聴滞在時間も長く、動画は「視覚(文字+画像)」「聴覚」で多くの情報量を伝達できる事が期待できます。動画の特性を活かして、「詳しく」「分かりやすく」説明することが効果的です。

<オウンドメディアのコスト>
・自社メディアで広告費は0円。
・コンテンツ制作にかかる労働力にお金がかかる。
・すぐに結果がでないため時間がかかる。
・メディア機能から自社サービスを売るハードルがある。

<オウンドメディアの活用シーン>
顧客は自社のサービスを認知していない場合や、自社サービスへの理解度が低い場合でも、自社サービスの上位概念として存在する潜在的課題へのテーマには興味や関心をいだく可能性があります。

例えば、
今より綺麗になりたい女性がいるとして選択肢はいくつかあり、
・メイクで綺麗になる。→ 化粧品
・髪型を変えたり若さを保つことで綺麗になる。 → ヘアケア、美容院
・肌の若さや潤いを保つことで綺麗になる。→ 美容液
・痩せることで綺麗になる。→ ジム、サプリ

など
ユーザーの関心があることをテーマとしてまとめ、解決策に自社商品を提示します。この場合、上位概念がユーザーの関心ごとであり、その下にあらゆる解決策があり、その選択肢の一つが自社サービスです。自社のサービスをいきなり宣伝するより、ユーザーの関心ごとを解消して、多くの選択肢から自社サービスを利用するメリットを伝えることでユーザーの信頼を勝ち取ることができます。

SNS (アーンドメディア)

<SNSの仕組み>
アーンドメディアは第3者的な情報発信を意味しています。旧来のマスメディア4媒体(テレビ・新聞・雑誌・ラジオ)にニュースや特集として自社もしくは自社のサービスを取り上げてもらうことで、客観的な視点や社会的視点から見た情報として広く伝えられます。しかし、これは確実かつすぐに実現できるものでもなく、ある程度の影響力や社会的貢献の観点で目立たないと難しい側面があります。

一方、FacebookやInstagram、Twitter、Tik TokなどのSNSは情報発信するまでのハードルが低く、継続的なコミュニケーションも実現しやすいです。自社の投稿に対して好感や共感を得られることができればシェアをされシェアの連鎖が「バズる」に繋がります。

SNSのプラットフォームに応じて好まれる投稿や世界観、文化が違うためSNSに応じたコンテンツやコミュニケーションの設計が重要です。自社のサービスにあったプラットフォームを選定しましょう。また、SNSはコンテンツや情報を提供するツールに過ぎないため、あくまでも自社のコンテンツにリソースを投資する必要があります。

自社の投稿によるユーザーの反応を分析したり、自社サービスについて投稿されているかを探してどのような反応があったかフィードバックを得ることができます。ユーザーからの反応を確かめられるので、キャンペーン企画や商品開発に活かしやすいです。

<SNSのメリット>
・すぐに始められてハードルが低い。
・継続的なコミュニケーションとユーザーのフィードバックを得られる。
・好感や共感を得ることで自社の投稿やサービスがシェアされる。

<SNSのコスト>
・SNSアカウントなのでお金は0円。
・継続的な情報発信が重要なので労働力にお金がかかる。
・コンテンツ制作にかかる労働力にお金がかかる。

<SNSの活用シーン>
自社のサービスやブランドのファンをつくるためのコミュニケーションツールとしての役割や、自分の権威を活用してユーザーの関心やフォローワーを増やして情報発信する役割、自社のコンテンツや情報を発信することでより自社サイトのPV数を増やしたり、なにか購入やお申し込みを促す役割もあります。

サイト制作

<サイト制作の仕組み>
サイト制作はどのWebマーケティングの中でも極めて重要なマーケティング活動です。新規顧客へのリーチや既存顧客とのコミュニケーションであろうが、自社サービスへのお申し込みや購入を決定する場面は全てWebサイトで行われています。

広告をみて購入したいと思ってもWebサイトに訪れたら想定していたものと違ったり、購入の煩わしさが気に入らなくて購入を諦めたり、普段の生活の中でオンラインショッピングをしているとそのような経験があるかと思います。

・Webサイトでその商品がなんの商品なのか?
・誰のために提供されている商品なのか?
・どのように利用するのか?
・利用価値があるのか?
・今利用する意味があるのか?
・他の商品と何が違うのか?
・見込み顧客に理解されやすい説明になっているか?
・購入はスムーズにできるのか?

など
見込み顧客のあらゆる検討材料に答えていかなければいけません。サイト内に訪れただけの顧客に対してフィードバックを直接得ることができないため、予め顧客が何を求めているかを調査し、仮説をもとに想定した内容でコンテンツを用意する必要があります。

また、サイトのコンテンツを変えることができても、全体のコンセプトや設計を変えることは容易ではないです。そのためしっかり段階を経てサイト制作に取り組む必要があります。

(1) Webサイトの目的を決める。
(2) 顧客を理解してターゲットを決める。
(3) Webサイトで何を伝えるべきか決める。
(4) 全体的な雰囲気やカラーなどコンセプトを決める。
(5) 全体的なコンテンツの内容やSEOの設計を決める。
(6) Webサイトの全体構造を設計する。
(7) 各ページの構成を決める。
(8) 各ページのデザインのテキスト、色、画像、レイアウトのコンセプトを決める。
(9) 各ページのデザインを制作。
(10) 実装(フロントエンド、バックエンドでそれぞれ構築)。
(11) 実装後のシステムの動作確認。
(12) リリース

簡単にまとめてもこれだけの工程があり、関わる人も多くコミュニケーションや進め方次第でデザインの完成度は大きく変わったりします。

<サイト制作のメリット>
・Webマーケティングを行う上で必須なもの。
・サイトの良し悪しで売上が左右するくらい結果に反映される。
・サイト次第で顧客の商品理解や購入意向を上げることができる。

<サイト制作のコスト>
・工程が多く関わる人も多いため認識のすり合わせや継続的なコミュニケーションのコストがかかる。
・フロントエンド、バックエンドの人材とそれをディレクションする人材のコストがかかる。
・デザインの素材やシステムの導入によるコストがかかる。
・サーバー代がかかる。

<サイト制作の活用シーン>
前述の通りオンラインでビジネスを行うために必須なものです。売上を上げる施策としてサイトに投資をしたり、大掛かりなものであればブランドコンセプトを一新するためにサイトリニューアルを行ったりします。ビジネスのコンセプトが、サイトのコンセプトになり、それが集客のコンセプトに反映されるため、サイト制作はあらゆるWebマーケティングの施策において根幹とも言えます。

アクセス解析

<アクセス解析の仕組み>
一般的にはGoogle Analyticsなどのアクセス解析ツールを用いて、自社サイトに訪れたユーザーの数や情報を数値やカテゴリで分析することができます。

・どのようなユーザーが?
・どれくらい訪れているのか?
・そのユーザーはどの経由でサイトに訪れたのか?
・どのコンテンツが読まれているか?
・サイト内の成果にどれだけつながっているか?
・期間毎にレポートして時期によってどのように変化したのか?

などあらゆる角度からユーザーの定量情報を得ることができます。その情報を定量的に比較して分析を行うことでユーザーがなにを求めているのか、集客としてなにが効果的なのか、改善点はなにか数値として明確にすることができます。

数値の指標としては、

・ページビュー数
・セッション数
・ユニークユーザー数
・回遊率
・離脱率
・直帰率
・コンバージョン率

を定量的に評価することが多いです。

<アクセス解析のメリット>
・Webサイトに訪れたユーザーの定量分析ができる。
・集客経路やコンテンツによってCVまでの貢献度が把握できる。
・PV数の多いコンテンツの把握やコンテンツの改善点が把握できる。
・CVへの経路やコンテンツを把握することで投資対効果を改善できる。

<アクセス解析のコスト>
・Googleが提供しているツールは基本無料。
・他にも有料ツールでしかつかえないものがある。
・初期設定も簡単で分析コストも多くはかからない。

<アクセス解析の活用シーン>
・WebサイトのCVを計測したい。
・Webマーケティングで集客経路ごとにCVへの貢献度を分析したい。
・サイトのPV数やユーザーによく読まれるコンテンツを知りたい。
・既存ユーザーと新規ユーザーの割合を知りたい。
・ユーザーの滞在時間や読むページ数を知りたい。

CVR改善

<CVR改善の仕組み>
CVRはサイトのPV数からCVに至った割合です。顧客に対して商品の紹介ページからいかに商品のメリットを伝え購入してもらえるか。この仮説をたて実行し結果を分析する活動がCVR改善です。

商品の宣伝をする自社サイトは大きく2つに分かれており、商品の紹介だけされている単一ページのLP(ランディングページ)と、いくつか階層がありWebページが分かれているWebサイトでは改善するポイントや考え方が変わってきます。

LP(ランディングページ)の場合

ページの遷移として、

LPのトップページ → お申し込みフォーム → お申し込み完了
とLPの場合お申し込み完了までのページ遷移数が少ないのが特徴です。商品検討のための情報はLPのトップページにまとまっていて、情報が縦一直線構成されており、タイムラインのように下へスクロールして読み進める構成になっています。そのため、LPが縦に読まれることを想定してコンテンツの流れを構成する必要があります。

構成として、
FV(ファーストビュー)
LPに訪れたほとんどのユーザーが最初に見る重要な箇所です。FVは、商品に興味を持ってもらい、この後のコンテンツを読んでもらうための役割です。逆に最初のFVでユーザーの期待を得られなかった場合、その時点で多くのユーザーが離脱してしまい、このあとのコンテンツでいかに説明がされていても意味がなくなってしまいます。改善ポイントは以下です。

・商品のコピーライティング
・商品のアイキャッチ画像
・商品のメリットや客観的な評価
・商品のCTA(お申し込みアクションの設置)

ボディコンテンツ
FV以降で具体的に商品を検討しているユーザーが商品の内容を読み進めており、あらゆるユーザーの検討要素を想定してコンテンツに落とし込む必要があります。改善ポイントは以下です。

・商品の具体的な説明
・商品を利用した体験談
・客観的な評価や権威
・商品を使用したときのイメージ

クロージング
最終的に顧客のモチベーションが高まっており、お申し込みをするかどうか決め手を探していたり、今お申し込みをするべきかどうか迷っていたり、最後に疑問点を解消したいであったり、お申し込みのフローを確認したりしている状態です。改善ポイントは以下です。

・今お申し込みをすると得になるプランを用意する。
・Q&Aで顧客からよくある質問に答え、不安を解消する。
・お申し込み後の流れを説明する。
・お申し込みフォームの手間を最大限に簡単にする。

<CVR改善のメリット>
集客にかかるコストが同じ金額投資をした場合でも、CVRを高く誘導できる方が最終的なCPAは低くなります。つまり費用対効果が高いかどうかに直結する指標のため、Webマーケティングにおける重要な指標の1つです。

<CVR改善のコスト>
・コンテンツの制作費にコストがかかる。
・実際にコンテンツの検証や分析結果のレポートに労働コストがかかる。
・コンテンツを用意するため外部的な認定、口コミ調査にコストがかかる。
・コンテンツを検証するためある一定の集客数が必要になる。

<CVR改善の活用シーン>
・Webマーケティングを強化して集客数を増やしたが一向に新規顧客が増えない。
・広告コストが高くなり利益率が下がってきているのでCVRの改善が急務。
・大量の商品を抱えているプラットフォームで全体の購入率を上げたい。
・記事コンテンツからのお申し込み率を改善したい。

CRM

<CRMの仕組み>
CRMとは自社のサービスを利用してくれた顧客のデータを管理して、顧客の購買傾向や状況などを把握し、顧客に合わせたコミュニケーションを継続することで、自社と顧客の関係を継続して深めることを目指す活動です。

・顧客のデータ(過去の履歴、購買情報、顧客属性など)の管理ツール
・顧客とのコミュニケーション手段
・自社商品の宣伝やお得な情報の発信
・顧客の反応をみてニーズやニーズの変化をキャッチアップする

これらの活動を最大化するために、昨今ではCRMのツールを活用することが増えてきました。
他にも「MAツール」「SFAツール」などCRMとにたツールが存在します。

「MA」はマーケティングオートメーションという名の通り、自社で管理している顧客の連絡先(メールなど)から顧客にあった情報の提供やコミュニケーションを行い、自社サービスへの検討段階を低いところから高めるための活動です。一方的な情報発信はノイズでしかなく、どのような顧客に何のコンテンツを発信して、いつのタイミングで発信するか設計する必要があります。オートメーションはそれらの設計を自動化することが実現できる機能です。

「SFA」はセールスフォースオートメーションという名の通り、営業活動における顧客管理ツールです。提案中や契約がとれた企業の進捗管理や売上管理、各顧客とどのようなコミュニケーションを行ったかといった履歴の管理など、あらゆる営業活動をシステムにログとして残し、データにして可視化することで生産性の向上や全体の統率がとることを目的としてツールです。

CRMは顧客になってから活用するためのツールです。

<CRMのメリット>
・新規顧客から継続的な顧客への育成ができる。
・顧客の属性や購入の傾向をデータ管理できる。
・顧客の興味に応じてあらゆる商品の紹介ができる。

<CRMのコスト>
・ツール利用コストがかかる。
・システム導入と運営リソースがかかる。
・コンテンツの企画やコンテンツ制作費がかかる。
・顧客へのアプローチなので慎重になり社内承認の時間がかかる。

<CRMの活用シーン>
・顧客管理やコミュニケーションツールを一元化したい時。
・LTVの引き上げで利益を増やすことを目的とする時。
・新規顧客数の比重より既存顧客の比重が高い時。
・定期的な購入商品で都度顧客とコミュニケーション管理が必要な時。

まとめ

一貫してWebマーケティングはデータを分析してマーケティング活動に活かしたり、数値として評価ができるため、いかにKPIの設計やそれを目的とした施策の選定が重要かがご理解頂けたかと思います。

改めて売上がどのようなKPIで構成されているか、そのKPIの数値は現状どのくらいで、どこがボトルネックになっており、顧客目線でなにで取りこぼしているのか。サービスやコンテンツとしてどのようなコミュニケーションが適切でどれくらいの目標値を目指すのか、日々のマーケティング活動にお役立てください。

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